吉田麻也を“後輩DF”が絶賛「お客さんではない」 期待したベテランの強み「一人の戦力として」

菅原由勢が吉田麻也の電撃合流に言及
北中米ワールドカップ(W杯)に向けてメキシコ・モンテレイで事前キャンプを行っている日本代表は現地時間6月4日、練習を実施した。練習後に取材に応じたDF菅原由勢は、サポートプレーヤーとして帯同することが決まったDF吉田麻也について「ただのお客さんとして来ていない」と語り、ベテランの存在感を明かした。
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事前キャンプ地のメキシコ・モンテレイで、山本昌邦技術委員長が現地時間5日からの吉田の合流を明言した。W杯3大会連続出場の実績を持つ経験豊富なDFは、練習を共にしながらチームを支えることになる。主将のMF遠藤航が負傷で別メニュー調整となり、MF南野拓実がメンタルサポーターとして帯同する中での決定となった。
名古屋グランパスの先輩にあたる吉田の帯同について話が及ぶと、言葉の熱量が一段と上がったのが菅原だ。
「森保(一監督)さんなりにできることは全部やっている感があるというか、全て隙のないチーム作りの中で、使えるものは全部使っているというのをすごく感じる」
森保監督の決断を、菅原は迷いなくリスペクトすると言い切った。その理由は、アイスランド戦前の短い合流期間で肌感覚として掴んだものにある。
「もともと人間的にも選手的にもリスペクトしていますけど、トレーニングの向き合い方もそうだし、若い選手のようにいろんなものを吸収しようとする。普通の一人の戦力としてすごいアピールしてた。それが逆に僕らにとってはプラスだったというか、ただのお客さんとして来ていないし、ただ何かを伝えるために来たわけでもなくて、選手としてできることをしっかり考えた上でチームに接してくれていた」
経験を「伝える側」として来たのではなく「戦う側」として来た。その姿勢が、菅原の目には強烈に映ったという。菅原はW杯メンバーの長友佑都と、サポートプレーヤーとして帯同する吉田、頼れる二人のレジェンドの存在感の違いをこう語った。菅原は頼れる二人のレジェンドの存在感の違いをこう語った。
「佑都さんはボディランゲージも多いし、言葉を発しながらというのもありますけど、麻也さんはもっと俯瞰してチームを見ている。もちろんキャプテンだったこともありチームがどういう方向性でトレーニングを積んでいるのか、どういう雰囲気を持ってトレーニングに臨むのかというところは、相当目を配っている部分があるというのはアイスランド戦の前から感じていた」
菅原自身も、初めてのW杯という舞台の重さは十分に理解している。U-17、U-20と世界大会を経験してきたが、「カメラの数も違うし、日本からの注目度も違うし、いろんな方から頑張ってというメッセージも来る。そういった面ではいろいろ違う」という。ただ、その言葉の後に続いたのは、浮足立った感情ではなかった。
「W杯に来ることがゴールではないし、W杯で出ることがゴールではない。W杯で勝つことが直近で言えば目標なので、そこが全てだと思います」
個人の欲よりもチームの勝利。U-20W杯出場時は「ヨーロッパへのマーケット開拓という意味合いも少しあった」と率直に認めた上で、今大会はそこが「ちょっと違う」と言い切った。「個人の欲は全部捨てて、チームが勝つためにチームに徹することが僕の役割」。その言葉に、ここまでの道のりで培った覚悟が滲んでいた。
吉田の帯同について、菅原は最後にこう付け加えた。
「頼れる選手というのは一人よりも二人いた方がいいし、二人よりも三人いた方がいい。すごくチームのことを考えてくれているし、早く来てほしいですね」
その言葉には、長年W杯を目指してきた男の純粋なチームへの思いが込められていた。吉田という「戦力」を迎えた日本代表は、初戦までの残り約10日間、最後の瞬間まで準備を進めていく。
(林 遼平 / Ryohei Hayashi)

林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

















