出番なしのカズ「現実は厳しい」 7試合連続ベンチ入りも…心境吐露「もっとアピールしないと」

福島ユナイテッドFCの三浦知良【写真:徳原隆元】
福島ユナイテッドFCの三浦知良【写真:徳原隆元】

カズがベンチ入りの福島はいわきに2-3で敗戦

 福島ユナイテッドFCは4月12日、ホームで行われた百年構想リーグ第10節でJ2のいわきFCと対戦。2-3で逆転負けを喫し福島ダービーは2連敗となった。59歳のFWカズ(三浦知良)は7試合連続でベンチ入りしたが出場機会はなし。第5節の長野戦以来5試合連続で出番はなく、試合後には「現実は厳しい。もっとアピールしないと」と出場へ意欲をみせた。

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 前節J2の北海道コンサドーレ札幌相手にアウェーで2-0と快勝した福島だが、ホームに戻ったこの日は苦しんだ。開始6分にMF田中慶汰のJリーグ初ゴールで先制したが、その後チャンスを生かせず逆に3連続失点。終盤にMF芦部晃生の今季初ゴールで1点差に迫るのがやっとだった。

 第2節のアウェー戦に1-3で敗れたのに続く黒星。いわきから多くのサポーターが訪れたこともあって、観客数は今季ホーム最多の5723人だった。ベンチで敗戦を見届けたカズは「チャンスがあっただけに、勝てなかったのは残念」と悔しがった。

 負けたこととともに、自身に出番がなかったことも悔しがった。秋春制へのシーズン移行にともなう全18試合の特別リーグはこの日から後半戦に入ったが、前半戦の感想を聞かれると「試合に出ていないからね」と言葉少なだった。

 開幕戦こそ先発出場したが、その後体調を崩して戦線を離脱。第4節からは7試合連続でベンチ入りしているものの、出場したのは長野戦の終了間際1分だけ。この日も交代枠を1人残しながらピッチに立つことはなかった。「現実は厳しい」と口にして「もっとアピールしないといけない」と自身を鼓舞するように話した。

 公式戦出場はしていないものの、試合翌日に組まれている練習試合では調子を上げている。3月9日の栃木SCとの練習試合で30分プレーすると、同22日の新潟医療福祉大とのトレーニングマッチでは45分、今月5日の仙台との試合ではハーフタイムをまたいで移籍後最長の52分間出場した。プレータイムは確実に伸びている。

 もっとも、カズ本人は「時間的にはよくなっているけれど」と言いながら「監督へのアピールはできていない」と話した。選手間の距離を保ちながら細かくパスを回すチームのスタイルには合ってきたが、満足はしていない。出場機会を得るために「もっとアピールしないといけない」と貪欲に話した。

 昨季までのJFLから5季ぶりのJリーグ復帰、選手のレベルも上がることから出場が簡単でないことは分かっていた。それでも「試合でいいパフォーマンスができるように、しっかり準備をする」のがカズの信念。監督へのアピールが「モチベーション」にもなるし、若い選手との競争を前向きに楽しんでいるようでもある。

 リーグ戦は終盤に向けてさらに日程が過密になる。チームの司令塔で主将でもあるMF針谷岳晃や前節で5試合連続ゴールを決めたFW清水一雅ら負傷者が続出するなどでカズにも出場のチャンスは巡ってきそうだ。「出番が来た時、しっかりプレーできるように準備をしていきたい」。情熱は少しも衰えることはない。59歳は、まだまだ走り続ける。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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