0-3から追い付くも「残念な気持ちが先行」 出番なしのカズも言及「勝ち切らないといけない」

ベンチから出番を伺ったカズ【写真:徳原隆元】
ベンチから出番を伺ったカズ【写真:徳原隆元】

福島は藤枝相手に追い付くもPK戦で敗れた

 J3福島ユナイテッドFCが、今季6敗目を喫した。福島は21日、ホームのとうスタで行われた百年構想リーグ第7節でJ2の藤枝MYFCと対戦。3-3からのPK戦3-5で敗れたものの、0-3から持ち味の攻撃サッカーで追いつき、スタンドを沸かせた。FW三浦知良(カズ)はベンチ入りしたが、2試合連続で出番はなかった。

欧州CLベスト16がついに開幕 佐藤寿人&柿谷曜一朗が伝授する“お得”な楽しみ方とは?

 スタンドのボルテージが一気に上がった。前半は相手の猛攻を受けて0-3と一方的な展開。それでも、寺田周平監督と選手たちはゴールを目指した。後半8分にはMF岡田優希が速いパス回しから抜け出して追撃のゴール。「1点取れば流れが変わると思っていた」というとおり、福島の攻撃に火が付いた。

 同13分にはFW清水一雅の3試合連続ゴールで加点。その後も司令塔の針谷岳晃主将(27)中心に素早く細かいパス回しで主導権を握ると、終了間際の43分には針谷のFKを相手のオフサイドトラップをかわして飛び出したDF藤谷匠が頭で合わせて追いついた。

 PK戦は全員が決めた藤枝に敗れ、PK戦負けの2試合を含めて今季6敗目。寺田監督は「悔しさや残念な気持ちが先行する」と言いながらも「最後まであきらめず、やるべきことを遂行した姿は賞賛に値する」と選手たちを労った。スタンドからも攻撃姿勢を貫いて同点に持ち込んだ選手に大きな拍手が飛んだ。

 開幕から4試合連続で「格上」のJ2勢と対戦して4連敗、開幕3試合で13失点するなど守備が崩壊した。それでも、寺田監督と選手たちはブレることなく「福島のサッカー」を貫いた。パスを回しながら相手を押し込み、中央を突破する攻撃スタイル。失点を気にするよりも、あえて攻撃にフォーカスした。

 3点取られたら4点、4点取られたら5点取るのが福島流。10位だった昨季のJ3、総失点は20チーム中ワーストの67ながら、総得点はリーグ4位の60。今季はさらに得点力を上げ、J2昇格のかかる今夏からの26-27シーズンを目指している。

 寺田監督が試合後に悔やんだのは失点ではなく「4点目、5点目を取れなかったこと」だった。素早い縦パスで攻撃のスイッチを入れ、3ゴールすべての起点となった針谷も「相手の圧が強い中でも、もっとパスを通さないと」と前半の無得点を反省した。格上のJ2相手でも引くことなく、ゴールを目指すことを徹底する。

 4試合連続でベンチ入りも出番がなかったカズは「後半あきらめえずに追いついたことは素晴らしい。ただ、勝つチャンスはあったし、勝ち切らないといけない」と悔しそう。それでも、この日後半の猛攻はサポーターを喜ばせ、来季に向けて期待を持たせた。寺田監督のもと、チームは成長を続ける。

page1 page2

荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング