初のJ1監督で「疑心暗鬼に」 名将の下で再起…変化した”指導者”としての価値観「偏りすぎた」

樹森大介監督が新潟と栃木SCでの経験を振り返った【写真:徳原隆元】
樹森大介監督が新潟と栃木SCでの経験を振り返った【写真:徳原隆元】

水戸の樹森大介監督が振り返る新潟、栃木での経験

 昨季のJ2リーグで快進撃を見せた水戸ホーリーホックが、悲願となるJ1リーグに挑戦する。今季から指揮を執るのは、2年ぶりに水戸へ帰ってきた樹森大介監督。昨季はアルビレックス新潟で初の監督業に挑戦したが、6月にシーズン途中で解任となり、8月からは栃木SCでコーチを務めた。第2回は水戸で生かしたい、新潟と栃木SCでの経験について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/全4回の第2回目)

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 昨季は新潟で初の監督業に挑戦した樹森監督。しかし、2025シーズンは序盤戦から苦戦が続き、後半戦を迎えた6月に解任が発表された。初の監督挑戦は、約半年という短い期間で幕を閉じた。それでも、8月末から栃木SCのコーチに就任し、すぐさま現場に復帰。惜しくもJ2復帰とはならなかったが、最終節までプレーオフ圏争いを演じた。

 樹森監督は新潟での半年間について、「いい経験はできましたし、いろいろできたこと、できなかったことが整理できた半年間だった」と振り返る。途中解任という結果にはなったが、「やりたいことも、ある程度できた試合の方が多かった。想像以上に何もできなかったわけではなかった」と、一定の手応えを口にした。

「最後のほうは、やっぱり疑心暗鬼になってしまって、チーム全体として勝ちきれない試合が続いてしまった。やっぱり経験不足が、あったのかなと。でも、悲観することばかりではなかった半年間だったと思います」

 その後、8月末からは栃木SCのコーチに就任し、再び指導の現場へと戻った。決め手となったのは、名将・小林伸二監督(当時)の存在。Jリーグで通算736試合を指揮し、「昇格請負人」の異名を持つ指揮官の下で、樹森監督はサッカーの原点に立ち返ることになる。

「いろいろ終わってから、充電期間としてサッカーの勉強しようと考えていたなかで、ありがたいことにいくつか話をもらいました。そのなかで、小林伸二さんが率いていたこともあって、改めて勉強したいという気持ちが強くなり、栃木での再スタートを決めました」

 栃木での半年間で学んだのは、戦術以上に、監督としての“人間力”だった。小林監督の立ち居振る舞いを通じて、選手やスタッフとの関わり方、チームのまとめ方を見つめ直した。新潟で解任された直後には、「しばらくサッカーから離れたい」と悩んだ時期もあったが、その経験を経て、価値観に変化が生まれたという。

「新潟のときは、戦術へのこだわりに偏りすぎていたなと気づいたんです。選手やスタッフに対する気遣いだったり、マネジメントの部分で気づかされることが本当に多かった。自分に真似ができるかは分からないけど、伸二さんの人間力は本当に素晴らしかったので、そういったところでも追いつけるように。盗めるところは盗んで、水戸でそれを表現していきたいなと思っています」

 新潟で監督としての手応えを掴み、栃木で再び原点に立ち返った樹森監督。2つのクラブで得た学びをJ1元年の水戸に持ち帰り、指導者として成長した姿を示している最中だ。

(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



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