W杯のため「心折れずに」 新たな街で変化…脳裏に刻まれた光景「何度もくじけそうに」

途中出場の増加で思うようにピッチに立てず
ドイツ1部ボルシアMGに所属する日本代表FW町野修斗が3月18日、ブンデスリーガが主催するオンライン取材会に登場した。北中米ワールドカップ(W杯)への強い思いを持って、今季にキールから移籍。ここまで25試合3得点で途中出場が18試合と出場時間の確保に苦悩する。それでも「W杯のためならどれだけ苦しくても心折れずにやれる」と、残り3か月、ドイツの舞台で奮闘する。
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町野を突き動かすのは、尽きることのない向上心だ。昨夏、2部に降格したキールからボルシアMGへ移籍を果たした。しかし、待っていたのは決してW杯へ向けた平坦な道のりではなかった。開幕戦こそ途中出場だったが、第2節から4試合連続で先発出場。チームが未勝利と苦しむなかで、町野もゴールを奪えずにいた。徐々にスタメンから外れ、ベンチで戦況を見つめる時間が増えた。第9節ザンクトパウリ戦で待望の初ゴールを奪ったが、今季の先発はわずか7試合とジョーカーとしての役割に苦しんだ。
「良い感触で試合に向かっているなかでもサブになってしまったり。試合に出なかったら次の日には激しい練習が待っている。そこに対してのモチベーションはなかなか難しかった。感情を表に出す選手が多くて、その怒りを自分のパフォーマンスに変えて、次の日いいパフォーマンスを見せるというのを今はやっている。W杯がなかったら何度もくじけそうになっているような難しいシーズンだけど、大きな目標にモチベーションを上げてもらっている」
腐ることはない。悔しさはもちろんある。プロとして避けられない「感情の浮き沈み」とも対峙してきた。忍耐力が異国でのサバイバルを支えている。
「選手なのでスタートから出たい思いもありながら、日々どうしたら出られるのか考えている。最近取り組んでいるのは守備のときの戻りやスピード。それ以外の部分だとポストプレーやボックスに入るところは示せていないことはないと思っていて、守備の攻から守に切り替わった時を意識してやっている。監督もたまにコミュニケーション取る中で良くなっていると伝えてくれているので、継続していきたいと思う」

新たな街デュッセルドルフで出会った豊富な食材「ストレスなく」
4年前。湘南ベルマーレに所属していた町野はカタールW杯メンバーに選出された。ドイツ、スペインを破り世界的な注目を浴びた森保ジャパンだったが、計4試合戦ったなかで町野の出番はなかった。それでも、あの光景が忘れられない。「会場が揺れる感じや試合に入っていく緊張感は鮮明に頭にある」。だからこそ、ドイツでの日々も日本代表につながるよう心がける。
「最近の代表活動の中でも基本的には途中で締めに入るタスクを任されていたので、そこをイメージしながらやっている。W杯でもそういう役割の時は絶対あると思うし、意識しながらやっている」
ボルシアMGに移籍し、約8000人の日本人が住む街デュッセルドルフに居を移した。精神面を律する一方で、強靭な肉体を作り出すために食にも支えられる。デュッセルドルフは日本食スーパーが充実しており、キール時代には手に入らなかった食材が豊富に揃う。
「妻に料理を作ってもらって、日本と変わらないぐらいストレスなく生活できている。キールではサーモンかマグロしか見たことなかったけど、昨日はチームメイトの高井(幸大)とほっけを食べに行ったし、はまちやぶり、イカなどたくさんの種類がある。寿司もよく食べにいくかな」
感情と向き合うことは簡単ではない。ただ、周囲の環境に感謝しながら、W杯へ向けて着実に歩みを進める。
「選手である以上、ピッチでチームの勝利に貢献するというのが一番光栄で嬉しいことだと思う。僕自身もW杯で1試合も出られなかった悔しさを今回の大会で晴らした時に、前回の経験を生かせたと言えると思う。そう言いたいと思っている」
悔しさは、ゴールへのプロローグに過ぎない。ドイツの空の下で牙を研ぎ続ける町野。再びあの熱狂の舞台へ。2度目の挑戦は、ここからが本番だ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



















