バロンドーラーが目の前に「圧倒されました」 スペインで衝撃…道標になった1枚の写真

憧れは3年連続バロンドーラーの名ボランチ スペインで一緒に撮った写真を大切に
女子サッカーの未来を考える――。WEリーグとFOOTBALL ZONEの共同インタビュー企画「WE×ZONE 〜わたしたちがサッカーを続ける理由〜」。今回は、ちふれASエルフェン埼玉のMF樋口梨花に憧れの選手と将来の夢について語ってもらった。(取材・文=砂坂美紀/全4回の3回目)
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樋口梨花の憧れの選手は、3年連続女子バロンドールを受賞しているスペイン女子代表のMFアイタナ・ボンマティだ。身長156センチの樋口と同様に「小柄なボランチ」で、その姿に自身を重ねる。華麗なテクニックで相手を翻弄し、高いボール奪取能力でピンチを未然に防ぎ、広い視野と創造性あふれるキックで最適な攻撃ができる、世界最高峰の選手。
JFAアカデミー福島所属時の海外遠征で実際に、ボンマティが所属するFCバルセロナの練習を見学。決して手を抜かずトレーニングする彼女を間近で見てさらに魅了された。
「体格が小さくて、たくさん走って、守備も攻撃も積極的に関わるプレースタイルは共通する部分なので、すごく勉強になりました。見学したときは、チーム練習後も自主練習をしていました。前の週の試合でゴールを外したシーンがあって、そのためにシュートの練習を繰り返していて、努力の量に圧倒されました。その時に、ボンマティ選手と一緒に記念写真を撮ってもらって、今も大切にしています」
いつか女子ワールドカップ(W杯)という最高の舞台で対戦することを夢見ている。
JFAアカデミー福島の卒校時には“日本”と“海外”どちらでプレーするのか迷ったが、WEリーグのちふれASエルフェン埼玉に正式加入した。2024-2025シーズンは、5節から特別指定でプレーして、13試合出場1得点、10試合連続スタメン出場を果たしており、チームに欠かせない存在となった。樋口は率直な想いを吐露した。
「(昨シーズンWEリーグでプレーをして)やっぱり自分には、まだ足りない部分が多いなと感じました。エルフェンで経験を積んで、選手としてもっと成長してチームに貢献したいですから。埼玉は地元なので、みなさんに応援してもらいたいというのもあります」
プロ契約を結んで臨んだ今シーズン。EL埼玉は中心選手の怪我による離脱や主力選手移籍の影響からか、開幕して10試合も勝ち星を挙げられなかった。最下位に沈むチーム状況を救ったのは、19歳の樋口だ。リーグ11節のAC長野パルセイロ・レディース戦で彼女の先制点を含む2-0で勝利を手にした。
「自分の人生の中でここまで勝てなかったのは初めての経験で。ようやく勝てたという喜びは、今までのサッカー人生の中でも一番大きいものでした。大事な場面で自分が得点できたということも、成長に繋げられたと思います」
勝利の糸口になった得点は、こぼれ球に素早く反応してエリア外から左足で放った強烈なミドルシュートだった。左右どちらも正確で強いキックが彼女の持ち味だ。今季は3節のINAC神戸レオネッサ戦でも左足からのロングキックでゴールに叩き込んでいる。パワフルなプレースタイルにWEリーグのスタンドから歓声があがる。

目標はなでしこジャパンでW杯優勝 来年はU-20女子W杯制覇を狙う
その実力が認められて、U-19日本代表にも選出されている。2025年8月のAFC U–20女子アジアカップタイ2026予選では、大差で勝利を重ねて圧倒的な強さを見せつけた。4月のU–20女子アジアカップ本戦、9月のU-20女子W杯でも活躍が期待される。
「自分の課題をちゃんと理解して、次のアジアカップ本戦とその先のU-20W杯に向けてWEリーグの中でアピールしていかないといけない。世界レベルで通用するように、準備をしていきたいです」
まっすぐな瞳と引き締まった表情で世界への夢を語る。JFAアカデミー福島でともにプレーしてきた、松窪真心(ノースカロライナ・カレッジ)や谷川萌々子(バイエルン・ミュンヘン)、古賀塔子(トッテナム)らがなでしこジャパンで活躍していることにも触発されているという。
「自分も選ばれたいという気持ちは強くあります。将来の一番の目標は、なでしこジャパンに選ばれて、W杯で優勝することです。そのためには、まだまだ課題がいくつもあります。成長を楽しみながらWEリーグでプレーして、いつか海外に挑戦することも、もうひとつの目標でもあります」
なでしこジャパンとして優勝カップを掲げることを夢見て、WEリーグの舞台に立つ19歳。目標を正直に公言することによって、自身を鼓舞している様子も頼もしく感じる。小さな体に秘めた可能性は無限に広がっている。
(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)




















