今季のJ1ブレイク候補は? キャンプで現地取材から厳選…筆頭は1年前倒しでプロ入りの“逸材”

ライターの河治良幸氏がキャンプ取材から厳選
2月に開幕する百年構想リーグでブレイク、あるいは再ブレイクする選手は誰か。キャンプ取材で見たJ1の選手をメインに、筆者独自の目線でピックアップしたい。
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J1で真っ先に名前をあげたいのが、ガンバ大阪の大型ルーキー池谷銀姿郎だ。昨年の関東大学リーグMVPであり、筑波大から卒業を待たずに、ガンバとのプロ契約を果たした。非凡な身体能力と対人戦での積極的な姿勢が目を引く。また新人選手でありながら、早くもコーチングなどで存在感を発揮していることはプラスに捉えたい。攻守に強度を求めるイェンス・ウィッシング監督の哲学にもマッチした選手だ。
2004年生まれで、ロス五輪世代より1年だけオーバーエイジになってしまうが、それこそ昨年J2ベスト11の市原吏音(RB大宮アルディージャ)にも匹敵する能力のポテンシャルがあると見ている。同じガンバ大阪ではFC岐阜から復帰した中村仁郎の溌剌とした動きが目立っていた。鋭い仕掛けからのフィニッシュなど、才能に疑いの余地はないが、これまで度重なる怪我に泣かされるなど、プロの壁に当たってきた。22歳で迎える百年構想リーグで、プロ2年目でさらなる飛躍が必至の名和田我空などと、切磋琢磨していってほしい。
8年ぶりのJ1昇格を果たしたV・ファーレン長崎では新外国人のFWチアゴ・サンタナの再ブレイクに期待がかかる。浦和レッズでは清水エスパルスからの移籍1年目で12得点を記録したが、昨年はグロインペインなど負傷に悩み、しかもクラブワールドカップを最大の目標にしていたことで、リーグ戦にうまくベストコンディションを持っていけなかった。それでも最終盤には復調しており、目を付けた長崎の強化部は慧眼と言えるかもしれない。
元日本代表FWの高木琢也監督も「彼自身も献身的にプレーしてくれてますし、僕もちょっと観た時には人を背負うよりも、相手との競争になった時にスピード感があるので。あとはフィニッシュの上手さはすごく良いと思います」と高評価しており、長崎で本来の姿を取り戻せれば、マテウス・ジェズスとのWエース爆誕も夢ではない。また昨シーズンも個としては輝いていたが、J2に降格したアルビレックス新潟から加入したMF長谷川元希は新天地でもフィットしそうだ。
昨シーズン7位の浦和レッズも、ACLエリートの出場権がかかる百年構想リーグの優勝に向けて、新たな戦術のトライをしている。昨年のファジアーノ岡山戦で、特別指定選手ながらデビュー戦ゴールを記録したFW肥田野蓮治は右サイドだけでなく、FWのポジションでも左足のシュート力を発揮している。マチェイ・スコルジャ監督が求める攻守のタスクは習得中だが、個としてはボールを持ったら何かしてくれる期待感に満ち溢れており、百年構想リーグの序盤戦から大仕事をやってのけても何ら不思議ではない。浦和では昇格2年目の照内利和も昨年とは立ち居振る舞いも、監督の評価も明らかに変わっており、浦和待望のアカデミー出身のFWとしてブレイクする準備は整っている。
その浦和と1月20日にトレーニングマッチを行った京都サンガF.C.では、J2のサガン鳥栖から加入した新井晴樹が早くもインパクトのあるパフォーマンスを見せていた。京都にはいなかったタイプでもあるだけに、前線の主力である原大智や奥川雅也とのコンビも良さそうだった。曺貴裁監督が求める攻守のダイナミックな動きを見せながら、サイドからの仕掛けで危険な存在になりうる。またJ2に降格した湘南ベルマーレから加入のMF平岡大陽も、いきなり開幕スタメンに名を連ねてもおかしくはない。ただ、湘南でもハードワークや局面でのテクニックは非凡なものを見せていただけに、やはり明確な結果がもっと付いてくるかどうかが問われる。
清水では大卒ルーキーの大畑凜生に注目
吉田孝行新監督が率いる清水エスパルスではU-23日本代表でもある高卒2年目のMF嶋本悠大が、どこまで飛躍できるか注目。そのボランチでは大卒ルーキーの大畑凜生も、鹿児島キャンプの総仕上げとなるジュビロ磐田とのダービーで1本目に起用されたことは吉田監督の期待の表れだろう。攻撃面の良さが十分に発揮されたとは言い難いが、中盤の守備やセカンドボールの奪取力は早くも目立っていた。高校年代から知る宇野禅斗は強力なライバルだが、4-3-3をベースとする吉田監督の清水では共存の選択肢もかなりありそうだ。
昨シーズン2位の柏レイソルでは浦和レッズから移籍した大久保智明が、本格的にブレイクできるか注目される。新加入と言っても、リカルド・ロドリゲス監督の教え子であり、浦和で一緒だった小泉佳穂ともかって知ったる仲ということで、戦術的なフィットに不安はない。ドリブラーではあるが、単騎で縦に破るよりは潜っていく仕掛けを得意としており、コンビネーションを生かした崩しでも、どんどん得点シーンに絡んでいきそうだ。浦和でもブレイクしかけてはコンディションを崩して序列を落とす流れを繰り返していただけに、活躍はもちろんだが、まずは百年構想リーグを怪我なく完走してほしい。
横浜F・マリノスに加入した近藤友喜も、J1での本格的な飛躍が期待できるタレントの一人だ。高いスプリント力と縦の突破力、さらにオフでゴール前に顔を出す怖さも持ち合わせる。前所属の札幌でも局面で光るものは見せていたが、監督交代などチームが苦しむ中で、世間的に正当な評価がされにくかった感は否めない。昨シーズンは終盤まで残留争いを強いられたマリノスが、改めて上位争いに加わるためのキーマンの一人と考えている。ポジション的にはジョルディ・クルークスと重なるところもあるが、大島秀夫監督の起用法次第では共存共鳴も可能だろう。
“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督の元で再出発を図る名古屋グランパスでは、これまでの実績や序列に捉われず“ミシャサッカー”にアダプトできそうなタレントを探る必要がある。その視点で一番面白そうな一人がMF榊原杏太だ。藤枝MYFCからのレンタルバックだが、シャドーでの起用が予想される中で、素早く流動的なコンビプレーに関わりながら、機を見てボックス内に顔を出せる特長は打ってつけだ。ジュビロ磐田に期限付き移籍していた親友の倍井謙が、海外挑戦を表明。良い刺激を得て、飛躍のシーズンにしていく期待は高い。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。





















