聖地アンフィールドに衝撃「見えている?」 英4年で辿り着いた深淵…日本代表主将とも「何度かご飯に」

独占インタビューに応じた清水梨紗【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】
独占インタビューに応じた清水梨紗【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】

清水梨紗は数々のスタジアムのなかでアンフィールドが「お気に入り」

 日本女子代表(なでしこジャパン)に不可欠な選手が完全復活への1歩を踏み出した。2024年のパリ五輪初戦で右膝前十字靭帯を断裂し、1年以上のリハビリを乗り越えて復帰を果たしたDF清水梨紗が2025年12月の一時帰国中に「清水梨紗ファンミーティング presented by Klook」に登壇。イングランド・プレミアリーグのチケットなどを取り扱うKlook社と共に開催した。単独では自身初となるトークイベント終了後に「FOOTBALL ZONE」の独占インタビューに応じた。復帰を目指す中で感じた変化や新天地リバプールでの挑戦、なでしこジャパンへの思い、イングランドでの暮らしなどについて幅広く語った。(取材・文=舩木渉/全4回の4回目)

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 清水梨紗は4年住むイングランドで選手として成長するだけでなく、サッカー文化の濃さと深さを味わってもきた。なでしこジャパンを長くけん引してきた29歳のサイドバックは「リバプールの女子チームの試合にはそんなにたくさんのお客さんが入るわけではないんですけど、アーセナルはエミレーツ・スタジアムが満員になることもある」と女子サッカー人気の高さを感じながら、やはりプレミアリーグの魅力には圧倒されたようだ。

「スタジアムでは歓声が大きくて、隣の友達と話していても、その声が聞こえないくらいです。サッカーの文化が根づいているのはイングランドにいてすごく感じますし、ここでしか味わえない雰囲気や経験がたくさんあって、プレミアリーグは何度でも現地で観戦してみる価値があると思います。もしイングランドでサッカー観戦をするなら、試合後には予定を入れない方がいいですね。電車が止まることも珍しくないですし、そもそもスタジアムを出るのにもすごく時間がかかるので、長時間歩く準備とその後に予定を入れないことをおすすめします(笑)」

 これまでいくつものスタジアムを周ってきた清水が「お気に入り」として挙げたのは、もちろん現所属クラブのリバプールが本拠地とする「アンフィールド」だった。

「アンフィールドは自分も選手としてプレーさせてもらって、すごくかっこいいスタジアムでした。新加入選手はスタジアムの中を見学させてもらえるんですけど、それまではスタンド側にあまり行ったことがなかったので、そのツアーの時に初めてスタンドのすごく高いところからピッチを見た時に、『ここから自分のことは見えているのか?』と思うくらいの大きさに圧倒されました。ホームゲームではクラブのスローガンにもなっている『You’ll Never Walk Alone』が試合前に流れて、ピッチに入る時に気持ちがすごく高まります。他のクラブにも『ここはこの曲』というのが必ずと言っていいほどあるので、そういった曲が流れる瞬間を目当てに観戦しても楽しいんじゃないかと思います」

リバプールでは同胞の遠藤航との交流も

 プレミアリーグの魅力はスタジアムの雰囲気の良さだけではない。「戦術面を見ると後ろからちゃんとつなぐチームが増えてきていると思う」と印象を語った清水は、「セットプレーに注目するのもすごく楽しいんじゃないかなと思います」続けた。

 イングランドではフリーキックやコーナーキックだけでなくスローインまで含めて「セットプレー」と解釈し、専門のコーチを雇うクラブも増えてきている。緻密に設計され、戦術の一部に組み込まれた世界最先端のセットプレーの凄みを味わうのもプレミアリーグを見るうえでの楽しみ方の1つになるだろう。

 WSLだけでなくプレミアリーグにも日本人選手が増加傾向にあり、ブライトンの三笘薫やクリスタル・パレスの鎌田大地、リーズ・ユナイテッドの田中碧といった日本代表選手たちがしのぎを削っている。

 リバプールにも日本代表キャプテンの遠藤航が所属し、出場機会は限定的ながら要所で重要な活躍を披露している。同じクラブでプレーする清水も遠藤のプレーに特に注目し、応援しているという。

「遠藤さんとは何度かご飯に行かせていただいたことがあります。日本代表のキャプテンとしてのリーダーっぽさだけでなく、お子さんもたくさんいて、そのままお父さんっぽいというか、私たちにすごく気を遣ってくださる優しい方ですね。プレー面で言うと、やっぱりボールを奪うところは遠藤さんならではの武器ですし、懐の深さや対人で球際にガッツリいくところは他の選手にはない強みだと思うので、ファンの皆さんにはたくさんボールを奪っているところを注目して見てほしいです」

 右膝の前十字靭帯断裂という大怪我から復活を遂げた清水は、リバプールを支える2人の同胞から受ける刺激をエネルギーに世界最高峰の舞台でさらなる飛躍を目指す。

「(長野)風花もそうですし、遠藤さんも、その2人が活躍したらすごく嬉しいですし、自分も頑張らなきゃと刺激を与えてくれる存在です。自分も2人のように周りに影響を与えられる選手になりたいですし、同じ日本人として、イングランドでもっともっと活躍したいなと思っています」

(舩木渉 / Wataru Funaki)



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舩木渉

ふなき・わたる/1994年生まれ、神奈川県逗子市出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業。大学1年次から取材・執筆を開始し、現在はフリーランスとして活動する。世界20カ国以上での取材やカタールワールドカップ取材を経験し、単なるスポーツにとどまらないサッカーの力を世間に伝えるべく、Jリーグや日本代表を中心に海外のマイナーリーグまで幅広くカバーする。

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