リバプールは「何でも揃っている」 日本代表が明かす英のリアル…試合後は「対戦相手の家に滞在も」

清水梨紗は新天地のリバプールへ
日本女子代表(なでしこジャパン)に不可欠な選手が完全復活への1歩を踏み出した。2024年のパリ五輪初戦で右膝前十字靭帯を断裂し、1年以上のリハビリを乗り越えて復帰を果たしたDF清水梨紗が2025年12月の一時帰国中に「清水梨紗ファンミーティング presented by Klook」に登壇。イングランド・プレミアリーグのチケットなどを取り扱うKlook社と共に開催した。単独では自身初となるトークイベント終了後に「FOOTBALL ZONE」の独占インタビューに応じた。復帰を目指す中で感じた変化や新天地リヴァプールでの挑戦、なでしこジャパンへの思い、イングランドでの暮らしなどについて幅広く語った。(取材・文=舩木渉/全4回の3回目)
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清水梨紗は2022年夏に日テレ・東京ヴェルディベレーザからウェストハム・ユナイテッドへ移籍して以降、マンチェスター・シティ、リバプールと3つのクラブに在籍し、イングランドで4シーズン目を迎えている。
「自分より大きくて、速くて、強い選手たちと戦っているので、そういった部分は日本との違いをすごく感じます」
今ではFA女子スーパーリーグ(WSL)でプレーする日本人選手はリバプールに所属する清水と長野風花をはじめ19人にまで増え、なでしこジャパンでも一大勢力になった。その先駆けの1人として日本人選手の評価向上に大きく貢献したのが清水だ。
リバプールを率いているガレス・テイラー監督は、マンチェスター・シティの監督時代に「イングランドでプレーする日本人選手はどんどん増えてくるだろうし、その理由も明白だ。非常に規律があるうえ、素晴らしい傾聴力を持っていて、プレー強度や戦術理解度も非常に高いのだから」と現地メディアにコメントしていた。
世界トップクラスの選手たちが集まるWSLで日本人選手が高い評価を確立できたのは、清水のような先駆者たちが懸命に適応のための努力をしてきたからでもある。特にフィジカル面での能力向上はイングランドで活躍するうえで不可欠だった。
「骨格の違いも絶対あると思いますけど、トレーニングに対する考え方にも日本との違いがありました。イングランドではチームの全体練習とは別に『この時間は筋トレをやろう』というのが決まっています。私が日本にいた時は個人で(筋トレを)やっていましたけど、チームで決められた時間を取っているのはあまり聞いたことがなくて、チームでちゃんと時間を決めてやるというのはフィジカルの強さにもつながってくるのかなと思います」
クラブハウスでの過ごし方や充実したオフも
試合のない日のルーティンも日本とイングランドでは全く違う。
「まずクラブハウスに集まってチームで朝ご飯を食べて、全体練習前に体づくりの時間が45分くらい取られています。そこからグラウンドに出てみんなで練習をして、昼ごはんを食べて、筋トレして……と拘束時間が結構長いんです。基本的に朝9時くらいにクラブハウスへ行って、帰宅するのは14時半、遅いと15時くらいになります。ベレーザでは練習の開始時間に間に合えばよかったので、クラブハウスにいる時間は今よりもずっと短かったですね」
清水が所属するリバプールは練習場の設備も充実している。女子チームはかつて男子のトップチームが使用していたクラブハウスを使用しており、「ジムもすごく大きいですし、アイスバスやサウナもあって、何でも揃っている」という。清水はプレミアリーグ仕様の環境を提供されてビッグクラブに所属していることを実感しているようだった。
試合に練習にと忙しい日々を過ごす一方で、束の間のオフは「カフェに行ったりお散歩したり、本当にゆっくり過ごしている」そう。清水は「1日中カフェにいて、ずっと喋っていたこともあります」と笑みをこぼした。
「私の行きつけのカフェは注文を覚えてもらえるところまでいっています(笑)。私はコーヒーがあまり得意ではなくて、いつもバニララテを頼むんですけど、しばらく通っていたら店員さんが『今日はバニララテでいい?』と聞いてくれるようになりました。イングランドには日本人選手がすごく多いので、試合の後は対戦相手だった選手の家にそのまま滞在することもありますね。エバートンにはベレーザで一緒にプレーしていた籾木結花がいるので、リバプールではモミ(籾木)と会って話すことも多いです。それもカフェで会っています(笑)」
チームメイトには長野風花がおり、同じ街のライバルクラブであるエバートンには籾木の他に林穂之香、石川璃音、北川ひかると4人の日本人選手が在籍している。近郊のマンチェスターにも宮澤ひなたや親友の長谷川唯といったなでしこジャパンの仲間たちもいるため、清水はお互いに支え合いながら切磋琢磨もできる最高の環境で充実した日々を過ごせているようだ。
(舩木渉 / Wataru Funaki)

舩木渉
ふなき・わたる/1994年生まれ、神奈川県逗子市出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業。大学1年次から取材・執筆を開始し、現在はフリーランスとして活動する。世界20カ国以上での取材やカタールワールドカップ取材を経験し、単なるスポーツにとどまらないサッカーの力を世間に伝えるべく、Jリーグや日本代表を中心に海外のマイナーリーグまで幅広くカバーする。



















