100人の報道陣、13台のカメラ…カズ会見に殺到 J復帰も本音「数字的なところは何とも」

三浦知良がオファーの裏側について話した【写真:徳原隆元】
三浦知良がオファーの裏側について話した【写真:徳原隆元】

福島の三浦知良「厳しいこともあるけれど、だからこそやりがいのある仕事」

 元日本代表FW三浦知良(カズ、58)が5年ぶりのJリーグ挑戦に心を躍らせた。カズは1月9日、東京都内でJ3福島ユナイテッドFC入り会見に臨み、昨季までプレーしたJFLから再びJリーグに戻れたことに感謝。カテゴリーを上げて挑戦できる喜びを口にするとともに「試合に出たい」と現実的な目標も口にした。

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「またここ(Jリーグ)でチャレンジできることが幸せ。自分自身JFL(アトレチコ鈴鹿)にいてチームが昇格しない限りJの舞台には戻れないと思っていた。オファーをいただいて、またJでプレーしてみたい気持ちが膨らみました」

 2021年のJ1横浜FC以来となるJ復帰に笑顔をみせ、一気に話した。「とても興奮しています」と、まっすぐな気持ちも口にした。

 1993年発足のJリーグ人気を牽引したカズの「J帰還」は、注目度も抜群だった。100人近い報道陣、13台のテレビカメラが並んだ。地元福島からも多くのメディアが集まった。「情熱は年を重ねるにつれて増している」「楽しみにしている」「希望が大きい」と、カズらしいポジティブな発言が続いた。

 もっとも、本人が「厳しい挑戦になる」と話したように、58歳ならではの現実もある。JFLアトレチコ鈴鹿でプレーした昨年は怪我に苦しみ、出場試合数も激減。満足なプレーができず、チームは地域リーグに降格した。終盤はFW陣に怪我人が続出したチーム事情もあってベンチに名を連ねたが、プレーでチームに貢献することはできなかった。

 そんな状況で決意したカテゴリーを上げての移籍。チームのコンセプトや志向するサッカースタイル、そして体調管理するための練習環境など総合的に判断しての決断だが、2月に開幕する百年構想リーグではJ2クラブとの対戦もある。JFL以上に強度が上がるなかでどこまでできるか。「レベルの高いチームが参加するのは楽しみ」と言いながらも「まずは試合に出場すること」と話した。

 開幕に向けてどこまで準備ができるか。昨年の不調はオフのトレーニングから始まっていた。思うようなトレーニングができずに開幕を迎え、無理をして再び悪化。その繰り返しが1年続いた。今年は「昨年のオフにできなかったことはできた。体もよくなっている」と話したが、完全に不安が払しょくできているわけではない。

「体はよくなっているが、それがプレーのなかで、強度が高くなったときにどうなるか。何パーセントの状態かと言われても分からない」と明かした。そして「今はチームの練習に合流する準備ができたというところ」と10日のチーム合流に向けて話した。

 かつては高い目標を口にしながら、自らを追い込んでクリアしていくタイプだった。J1の横浜FCからJFL鈴鹿に移籍した5年前は「全試合フル出場、1点でも多いゴール」と数字を挙げたが、JFLからJへと戻る今回は「数字的なところは何とも言えない」と話した。「これまで通り1日1日大切にやっていければ。その結果としてピッチに立てたらいい」と本音で言った。

「これまでサッカー人生のなかで楽しいこともあった。充実感もあった。苦しいこと、厳しいこともあるけれど、だからこそやりがいのある仕事だと思います」

 41年目を迎えるプロサッカー人生、16チーム目の新天地に向けて話した。

 会見の最後に口にしたのは「左サイドを突破して、いいクロスを上げたい」。40年前、王国ブラジルを驚かせた左ウイングとしてのプレーを思い出したかのように言って笑った。思うようにならない体、それを試合に出られるまでに整える難しさ、年齢を重ねるという現実に直面しながらも、その心はサッカーが好きでたまらない少年のころのままなのかもしれない。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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