南野不在なら左シャドーは誰? “代役”は多数候補も…残されたベストを探る時間は少ない

左膝の前十字靭帯断裂と診断された南野拓実【写真:徳原隆元】
左膝の前十字靭帯断裂と診断された南野拓実【写真:徳原隆元】

南野拓実は森保ジャパンで最も得点を決めた選手

 12月下旬、南野拓実が左膝の前十字靭帯断裂と所属クラブのASモナコが発表した。一般的に回復まで6~10か月とされている。負傷の状態や本人の回復力にもよるが、現実的にはW杯に間に合わないことも想定しなければならない。

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 もし南野がW杯に出られないとすると、日本代表は貴重なゴールゲッターを失うことになる。得点感覚の鋭さ、シュートへ持っていくボディバランスの強さは、多くの得点をもたらしてきた。また、現代表で最も経験豊富な選手でもある。

 ただ、南野の不在が直ちに日本代表に大きな影響を及ぼすとは思わない。

 3-4-2-1システムの左シャドーとしての南野の役割は、前後をつなぐ接続点としての機能、アタッキングサードでのチャンスメーク、フィニッシュ、プレッシングのスイッチ役などがあるが、最も大きいのは得点の部分だ。

 左シャドーの候補としては鎌田大地、三笘薫、中村敬斗の3人が思い浮かぶ。あるいは代表歴は浅いが鈴木唯人、北野颯太、大橋祐紀、佐藤龍之介。伊東純也、堂安律、町野修斗は基本右側だがシャドーの経験はある。

 パスワークの接続役としては鎌田が優れている。これに関してはむしろ南野より上手くやれる。また、相手のMFとDFの隙間での「間受け」についても、南野はそれに特化したタイプではなく、鈴木や北野の方が適性は高いかもしれない。そのまま南野の代役ではなく、違うタイプのシャドーということなら候補はかなりいるのだ。

 南野不在の問題はやはり得点になる。

 フィニッシャーとして優れているのは中村敬斗。左ウイングバックでの起用が多いが、シャドーとしても十分プレーできる。シュートの精度やアイデアでは南野に劣らない。直接的に南野の代役を探すなら中村になるだろう。町野は斜めの飛び出しからのフィニッシュ、ラストパスという武器があり、セカンドトップ型という点で南野に近い。

 三笘のシャドーも面白い。中村と2人で左サイドから仕掛けるダブル・ウイング方式はアジア予選でやったことがある。

 こうしてみると南野不在の穴は埋められそうだ。ただし、いずれも可能性はあっても単発的にしか試したことがなく、どれがベストなのか試す時間は限られている。鎌田は左シャドーとして最も経験が豊富だが、現在はむしろボランチの有力候補。残された時間で左シャドーの最適解を見つけなければならない。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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