本拠地から500キロ離れ…播戸竜二新社長が抱くビジョン 新スタ構想、”億超え”強力バックアップも

播戸竜二氏が新社長に就任
関西サッカーリーグ1部に所属するVELAGO生駒は12月24日、東京都内で記者会見を行い、2026シーズンより「IKOMA FC 奈良」にチーム名を変更し、元日本代表FW播戸竜二氏が代表取締役社長に就任することを発表した。奈良県生駒市を本拠とする新クラブの会見は約500キロ離れた都内で行われた。来年からスタートする新生クラブが目指すビジョン、新社長の思いを読み解く。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
【注目】シーズン30点は堅い」 柿谷曜一朗が選ぶ“ドリームチーム”と『Jクラ』で対戦できる企画がスタート
◇ ◇ ◇
美しい緑が広がる生駒山。いにしえの文化を尊重し、発展し続けてきた生駒市には約11万人が暮らす。“サッカー不毛の地”とされてきた奈良にJクラブが誕生したのが2年前。J3の奈良クラブが奮闘することで急速に関心が高まるなか、新たなクラブが誕生する。
VELAGO生駒を引き継ぐ形で誕生する「IKOMA FC 奈良」。生駒市高山町を練習場の拠点とし、まずはJFL昇格を目指す。歯科業界向けにメディカルテック事業や医療決済事業を展開するSCOグループの玉井雄介代表取締役会長が新オーナーに就任し、強化においても“億規模”の強力なバックアップ体制を敷く。
今回、発足会見は都内で行われた。生駒市から約500キロ。播戸新社長はその目的を「生駒の皆さんにまず知ってもらうにはたくさんの人たちに報道してもらう必要があった。そういう意味でもやはり最初は東京でと考えました」と広い認知を最優先した。
玉井会長、播戸新社長ともに生駒にゆかりはない。だが玉井会長は「地方都市であることが1つのキーワード」といい「地方都市がどのように必要としてくれるか。文化をつくって教育の部分やスポーツを通していろんなことを学べる環境は必要不可欠だと思っている。生駒の話を聞いた時、新しい考えを体現できるエリアが文脈の中にあった」と、クラブ運営を通して教育面での発展も目指すという。
実際、玉井オーナーのプランではサッカーのみならず、教育全体の底上げにも尽力するつもりだといい、地域活性化が目的の1つ。もちろんクラブの理解を深めるために播戸新社長は「生駒市のみなさん全員に会いたい」と地道な努力を続ける覚悟だ。
将来的には新スタジアム建設の構想も進める予定。播戸新社長は「今は関西1部なのでJFLに昇格をまず目指す。その後Jリーグ挑戦というふうになっていくなかで、行政とも話し合いながらどこの場所が可能なのか、どうやって作っていくのか玉井オーナーを含めて話し合って進んでいくものだと思っている。ただJリーグにいきたい思いはあるので、スタジアムは必須。しっかりと考えていきたい」。すでに生駒市の施設や企業などとコミュニケーションを図って、スポンサー獲得など積極的に動き始めている。
新たな挑戦の扉を開いた元日本代表の“新米社長”。3月に新クラブの始動を予定する。クリスマスイブのこの日、まずその第一歩を踏み出した。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



















