代表OBも驚嘆「すげえなって」 独日本人の5人守備網突破→決勝弾は「空間認知している」

【専門家の目|太田宏介】堂安律は個人技弾でチームを勝利に導いた
ドイツ1部フランクフルトに所属する日本代表MF堂安律が12月14日、ブンデスリーガ第14節アウクスブルク戦(1-0)で1人でこじ開けた衝撃ゴラッソを決め、今季4ゴール目を挙げた。このゴールについて元日本代表DF太田宏介氏が「ファーストタッチが素晴らしい」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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今シーズン、フランクフルトの中心選手として、ここまでリーグ戦3ゴールを挙げていた堂安は、開幕戦から続く連続先発出場をこの試合でも伸ばした。そして後半23分、MFオスカー・ホイルンドから右サイドでパスを受けた堂安は、中央へ切り込んでいき、ペナルティーエリア内に侵入し、相手DFを3枚はがして左足を一閃。シュートは相手DFに当たりながらもゴールに沈めた。
太田氏はまず「すげえなって」と感嘆。「ファーストタッチのところですね。ゴールに背を向けた状態から少し前に首振ってますけど、自分の感覚の中で相手がどこにいてって空間認知している。そのイメージがあった中でファーストタッチでカットインできる中の方向に向けたっていうところが一番大きい」と解説する。
そしてそのあとのドリブル突破について「力に頼らずというか、相手が寄せてくる、プッシングしてくるその力を上手く利用している。相手はスライディングもするし、結構手も引っ張られている中で、失わない技術とシュートに持ってける場所にボールを置くプレーは凄い」と驚きを口にしている。
「最後もディフェンスに当たってゴールになりましたけど、やっぱりシュートは打たないとゴールにならない。例えばJリーグ見ていてもパスをつなぐことが美しい、綺麗に崩すことが美しい。なんとなくそんなイメージでやってる選手もいますけど、ここまで強引に、強気に野性味溢れる積極的な仕掛けは、このヨーロッパの舞台でも、すごい輝いている。フランクフルトとしては、この補強めちゃめちゃ当たってますよね」
フランクフルトは今季チームのエースでFWヨナタン・ブルカルトが負傷離脱しているなかで、堂安に懸かる期待も大きい。
「主力フォワードが不在の中で、1人でやっぱ決め切る強さみはさすがだなと思いましたね。ファーストタッチの時点で、多分ゴールまでのイメージ、入っていくエリアの選択はしていると思うで。周りの選手たちもシュートコースに斜めにクロスして、例えば背後を取る動きよりも、堂安選手のシュートコースを確保しながら無理せず任せている。チームメイトからの信頼も厚いのは感じます」
そして代表において右サイドでスタメンに定着しているなか、右サイドの三笘薫が先日ブライトンで戦線復帰を果たしたが、「楽しみですよね。ここからコンディション良くなっていくと思いますし、組織として戦いながらも個で剥がせて1人で点を取れるアタッカーは日本にとってワールドカップで戦う上で必要だと思うので。彼の、大舞台での強さを含めてものすごく期待ですね」と、日本の10番に期待を寄せている。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。



















