5点リードなのに…響いた怒号「戻れ!」 “奇襲攻撃”に光った冷静ミーティング「今年の良さ」

柏はG大阪に5-0の完勝で2位に浮上
柏レイソルは10月18日、アウェーで行われたJ1リーグ第34節ガンバ大阪戦で5-0の大勝を飾った。2連勝で2位に浮上。優勝争いで得失点差が鍵を握るなか、大量5得点はチームにとって収穫だ。その舞台裏にはFW小泉佳穂の一言があったーー。
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「戻れ!」
ピッチに響いた小泉の声。チームメイトに対しての厳しい言葉は後半28分、なんと5点目を挙げた直後だった。「もっと取るんだ!」。小泉の言葉で周囲はハッとした。
前半7分に小泉のゴールで口火を切り、12分間で畳みかけ3得点を奪い、3-0で前半を折り返した。ハーフタイムを明けても相手の修正は見られず、後半6分に4点目。だが、柏にとって“楽勝ムード”はなかった。
同28分、PKを獲得するとキッカーを務めたのはFW細谷真大。「落ち着いて蹴ることができた」。GKの逆を突いて、5点目が決まった。チームメイトが喜びの輪を作ろうとしたその時、小泉がカツを入れた。MF中川敦瑛は「やっぱり佳穂くんのように言ってくれる人がいるのは心強い。もっともっと点を取らないと得失点で優勝できないのは一番悔しい。取れるだけ点を取ろうという感じだった」とその瞬間を振り返った。
ハーフタイムにFW垣田裕暉から細谷へ交代したのもリカルド・ロドリゲス監督からの“メッセージ”。指揮官は意図を「可能な限りゴールを取ろうとプレーさせようとしていた」と説明した。さらに試合前にはG大阪が4バックで来ると予想していたにもかかわらず、スタメン発表で3バックを確信。直前のミーティングで修正点を伝えただけで、戦い方を統一できたチームの完成度も光った。
「新しいことというよりは今までやってきたことの確認だった。1つの引き出しをもう1回整理した。今年の良さが出せた試合だった。(得失点差を+20に乗せて優勝への)リアリティーが出てきたところではあると思う。今までは得失点のところでリアリティーがなかった。今日で優勝も見えてきたと思うので、非常に大きな一戦になった」(小泉)
勝ち点3差の2位。首位鹿島との得失点も4差に縮んだ。8戦負けなしで2011年以来14年ぶりのJ1制覇へ勢いをつけた。大阪まで駆けつけた約1500人の途切れない声援を受けた柏。残り4戦、逆転Vへ向け止まるつもりはない。




















