森保Jは3バックを「突き詰めていく方が大事」 4バックどうする…林陵平が語った“システム”論

アジア最終予選での強さを支えた日本の3バック【写真:MEXSPORT/アフロ & 荒川祐史】
アジア最終予選での強さを支えた日本の3バック【写真:MEXSPORT/アフロ & 荒川祐史】

アジア最終予選で圧倒的な力を見せつけた日本の3バック

 森保一監督率いる日本代表は10月10日にキリンチャレンジカップ2025でパラグアイ代表(パナソニックスタジアム吹田/大阪)と対戦する。8か月後に控える北中米ワールドカップ(W杯)に向けて日本が苦手とする南米の強豪との強化試合。日本テレビ系で地上波放送される一戦で解説を務める林陵平氏に、森保ジャパンのシステムについて聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 9月に行われたアメリカ遠征。日本はW杯開催地でメキシコ代表戦(0-0)とアメリカ代表戦(0-2)でさまざまなテストに踏み切った。2トップや若手の積極起用など行ったなかで、4バックへのシステム変更にもチャレンジ。林氏は「状況に応じて4枚を使うことはすごく大事」としながらも、W杯に向けて3バックの重要さを熱弁した。

「僕はずっと3枚でアジア最終予選をやってきて、状況に応じて4枚も使うことはすごく大事だと思っていて、W杯では3枚と4枚の使い分けがすごく重要になってくるんじゃないかなと感じていた。前回のカタールW杯でも4枚が基本ベースだったけど、後半から3枚に変えて日本が流れを取り戻したので、3枚と4枚の併用は間違いなくチームにとっては重要だと思うんですけど、今の日本なら4枚ではなくて、3をどれだけ突き詰めてバージョンアップさせていくかの方が大事なのかな、と思いましたね」

 特に9月シリーズは冨安健洋、町田浩樹、伊藤洋輝、高井幸大ら最終ラインで負傷者が続出。DF板倉滉(アヤックス)以外は今回のアジア最終予選の経験値は低かった。だからこそ「やっぱり4枚はトレーニングも積んでいないと誤魔化せない。チームとしてしっかり作り込んでいないとできない。そういった意味ではもちろん4枚のオプションは必要だと思うんですけど、3枚でどうやっていくかの方が大事なのかなと思い始めましたね」と、日本がアジア最終予選で30得点3失点と圧倒的な攻撃力を見せつけたシステムの“追求”を望んだ。

解説者の林陵平氏【写真:本人提供】
解説者の林陵平氏【写真:本人提供】

ウイングバックの守備力は「そこまで心配ない」

 森保ジャパンの3バックは両翼が特徴的。MF堂安律(フランクフルト)やMF伊東純也(ヘンク)、10月シリーズはコンディション不良で選外となったMF三笘薫(ブライトン)ら攻守において個に強みを持つ選手を起用する。W杯本番までには「個人の部分で突き詰めていく部分が大きいと思う。キャラクターによって形は変わると思うけど、個の部分はすごく必要になってくる」と分析。さらに、最終予選で負担が大きくなかった守備面にも収穫が見えたという。メキシコ戦で先発した堂安と三笘に関しては強豪相手に「押し込まれて最終ラインに落ちると守備のタスクがどうなるか心配していたけど、2人ともしっかり守備していた。そこまで心配ない」と、世界に通用すると見た。

 だからこそ、“突き詰める”3バック。ディフェンス陣のコンディションが不透明である以上、残り8か月で戦術の追求に割ける時間も限られる。

「4枚にしたら守る時に、横の68mを4人で守らなければならない。5人で守るのとでは違うので、守り方もすごく重要になってくる。あとは攻撃のビルドアップのところも3枚と(1列前の)2枚の3-2のセットより、4枚と2枚の4-2の方がより仕組みが必要になる。うまくハマらなければ、アメリカ戦の4枚みたいな形で、ビルドアップもできない、攻撃もできないみたいな形になりかねないので、そこをどう突き詰めていくかだと思いますね」

 10月は南米の強豪と2連戦。初戦のパラグアイには過去5勝4分2敗で直近4連勝中だ。とはいえ、グスタボ・アルファロ監督就任以降に力をつけ、4大会ぶり9度目のW杯出場を決めた勢いに乗るチーム。試金石となる一戦で現在地を見極め、8か月後に向けて収穫と課題を積み重ねたいところだ。

■放送概要
「キリンチャレンジカップ 2025 日本×パラグアイ」
日本テレビ系28局+テレビ宮崎 10月10日 午後7時〜9時24分(最大10分延長)
全国ネット生中継(※TVerライブ配信あり)

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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