敵将もお手上げの“鉄壁守備”「非常に良かった」 0−4大敗から…J1クラブが取り戻した原点

東京ヴェルディの城福浩監督【写真:徳原隆元】
東京ヴェルディの城福浩監督【写真:徳原隆元】

東京ヴェルディは前節にヴィッセル神戸に0-4の大敗を喫した

 東京ヴェルディは9月27日に行われたJ1リーグ第32節で浦和レッズと対戦して0-0で引き分けた。前節、ヴィッセル神戸に0-4と大敗を喫していたなか、最終ラインのリーダー的存在であるDF谷口栄斗も出場停止だったが、90分間にわたってハードワークを続けて無失点に抑えた。

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 その守備力には浦和のマチェイ・スコルジャ監督も舌を巻いた。リーグ戦4試合連続ノーゴールという結果は避けたかったはずの浦和が、攻撃面に力を入れてこの試合に臨んでいたはずだ。「ビルドアップはうまくいきましたし、ロングボールや斜めのパス、細かいコンビネーションでファイナルサードまで侵入できましたが、そのあとのラストパスが足りませんでした」と語った浦和の指揮官は、「それは本日の東京Vの守備が非常に良かったというのも理由の一つだと思います」と対戦相手を称え、言葉を続けた。

「ヴェルディが守備でミスを犯さず、しっかり守っていたなか、我々にチャンスが生まれそうなところは、ディフェンスラインの前のスペースでしたが、そこを使うことも非常に困難でした。私たちはロングシュートを打ったりもしましたが、東京Vは被ゴール期待値が低いというスタッツ通り、チャンスを作りにくいチームでした」と、9月のリーグ戦をノーゴールで終えることになり悔しがった。

 東京Vからすれば、守備をしっかり立て直したと言える一戦であり、城福浩監督も「前節の4日前の惨敗を受けて、個人としても、チームとしてもリバウンドメンタリティを見せたかった試合ですし、今、我々の持てるものすべてを出し切らないと、今日は結果を得られないと思っていました。終わってみて勝ち点1というのは、正直悔しいです。経験値で言えば、ちょっと比較にならない対戦相手だと思いますが、我々がどのように積み上げてきたのか、守備と攻撃の何を表現することを大事にするのか、選手はよく理解しながら、今やれることをやってくれたと思います」と、勝ち点1にとどまったことには悔しさを見せつつも、今季14試合目のクリーンシートには手ごたえを感じた様子だった。

 浦和にボールを持たれながらも前半を耐えられたことには、「攻守は一体なので、前半の攻撃が良くなかったと思います」と要因を指摘。だが「押し込まれる時間になった。ただ、そこで破綻をきたさなかったのは、コンパクトということをキーワードに、ずっとこのチームはやってきています。前からプレッシャーをかけて、後ろが追随していくコンパクトと後ろに合わせて前が沈むコンパクトをしっかりメリハリをつけてやり抜いてくれたからこそ、前半をゼロで抑えられたんじゃないかなと思います。押し込まれたけれど、本当に天を仰ぐようなシーンは、ほとんど作られなかったと思います」と、神戸戦からの立ち直りに胸を張った。

 この試合、J1通算100試合出場の節目を迎えたMF齋藤功佑も「課題が出たところをしっかりと1週間で準備ができたのはありますし、内容のところは前線が西川周作選手のストロングを出させないプレッシャーのかけ方を意識してくれて、それに対して後ろもしっかりとハイラインを保って、つぶすところとカバーするところを改善できたのは大きかったと思います」と、指揮官同様にコンパクトな陣形を取り戻せたと胸を張った。「やっぱり守備のところは自分たちのストロングでもありますし、それが(J1)残留に近づく大きな要因を占めると思うので、そこからまず入ること。それプラス、勝つためにどう改善していくかを1試合1試合、続けていくことが大事だと思います」と、この試合が勝ち点1を重ねただけでなく、原点回帰にもなったと強調した。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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