昨季17位→今季躍動で何が変わった? 国内2冠が視野…主将が明かす変化「一番大きいかなと」

柏の古賀太陽【写真:アフロ】
柏の古賀太陽【写真:アフロ】

柏DF古賀太陽が取材に応じた

 2024シーズンのJ1リーグにおける最終順位は17位。あと一つ順位が落ちていれば、柏レイソルは今シーズン、J2リーグを戦っていた。首の皮一枚でJ1残留を決めたチームは、リカルド・ロドリゲス監督を迎えると、残り10試合のリーグ戦では2位につけ、9月3日のルヴァンカップ準々決勝第1戦でも横浜F・マリノスに4-1で勝ち、2冠を視野に入れられる状況にある。

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 シーズン開幕前、リカルド・ロドリゲス監督がかつて徳島ヴォルティスや浦和レッズで指導した選手も多く補強していた柏だが、昨季の残留争いを経験している選手も多数残っている。その一人であるDF古賀太陽は、昨季との違いをどう感じているのか。

「サッカーの中身の部分に関しては、誰が見ても大きくチームが変わったのもあると思いますけれど、そこに対して本当にみんなが自信を持ってやれているのが、一番大きいかなと思います」と、メンタル面を挙げて、「去年は準備してきたものがあっても、どこか不安要素があったり、みんなが気持ちよく頭の整理ができていないまま、100%を出し切れないという試合が、すごく多かった気がします。それが今年に関しては、そういうゲームが本当に少なくなっていると思いますし、みんなが頭を整理しながら、なおかつプラスアルファ、自分の能力を上げていく作業が、それぞれができている。ゲーム以外の練習からも、充実度が明らかに変わったと思います」と、チームに起きた変化を説明した。

 大きく変わったサッカーについても、古賀は「(ロドリゲス監督が)明確なオプションを何個か提示してくれて、そのなかから選手が状況に応じて選んでいます。今シーズンの立ち上げからずっと変わらずに監督が示してくれていますし、その感覚が今いる選手にすごく合っている」と、スペイン人監督の戦術が浸透していると語った。

 勝つことで自信が増し、プレーにも余裕ができる。そんな好循環にある柏だが、選手たちはピッチ上で成長を感じさせるプレーを披露している。この日、FW垣田裕暉が後半ATに決めた芸術的なループシュートも、そんなシーンの一つといえるだろう。練習からもチームメイトの成長を感じられていると言う古賀は、チーム全体のレベルアップを感じていた。

「なかなか試合に絡めていないメンバーであっても、練習で対峙してもやっぱりパフォーマンスはすごく高いところを維持してくれています。去年までは自分が与えられた役割を全うするだけでしたが、プラスアルファをみんなが発揮できるようになっている気がするんです。今試合に出ているメンバーだけじゃなく、サブのメンバーも、メンバー外の選手も、みんながそういうところを表現できているのかなという気がします」

 残留争いをしていたチームが、タイトルを争えるチームへと変わるスイッチは、開幕直前にロドリゲス監督に押されていたのかもしれない。リーグとルヴァンカップの2冠が達成できる可能性があると指摘された古賀は「監督からも、シーズンの立ち上げの時から『このチームはタイトルを獲らないとといけない』と言われていますし、みんな監督がそうやって口にすることで、タイトルに対して強い意識を持つようになっていると思う」と、口にした。

 キャンプが終わったあたりのタイミングで、監督の口から「タイトル」と言われた古賀は、前年が17位だったこともあり、「簡単にはいかないなと思っていました」と言うが「でも、キャンプやプレシーズンマッチの間も、すごく良いチームになりそうだなという感覚はありました。監督が『徳島でJ2を優勝した時の感覚に似ている。優勝するチームの要素が、このチームにはある』と言ってくれていたので、そこは説得力がありましたし、『この監督についていかないといけないな』という気にもさせられた。自然とシーズン前からそういう言葉を聞けたことは、みんなが優勝を狙えるマインドになっていった要因だと思います」と、言葉を続けた。

 シーズン前、柏の優勝を予想していた人は、ほとんどいなかっただろう。だが、その可能性を意識させられてきた選手たちは、タイトル獲得を現実的な目標として戦っている。「今回の準々決勝も、まだホームゲームは残っていますけど、確実にみんな狙える感覚はあると思います。過信しないようにしないといけませんが、良い意味で自信を力に変えて、2冠をしっかり達成できるようにしたい」と、キャプテンは力を込めた。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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