【プレミア開幕】アーセナル優勝の鍵を握る”NEWロドリ” 久保の元同僚MFが攻守で示す圧巻データ

プレミア初挑戦名鑑:アーセナルMFマルティン・スビメンディ(スペイン代表)
プレミアリーグ2025-26が開幕を迎えた。「FOOTBALL ZONE」では今季からイングランドに新天地を求めた注目選手たちに迫る。今回は、開幕戦で早くも存在感を発揮したアーセナルの新戦力、スペイン代表MFマルティン・スビメンディを紹介。守備面だけでなく、攻撃でも違いを生み出す明確な数値を残しており、昨年バロンドールを受賞したスペイン代表MFロドリ(マンチェスター・シティ)の再来を予感させている。(参照:プレミアリーグ公式サイト、英衛星放送「スカイ・スポーツ」)
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アルテタ監督が獲得を熱望したスビメンディは守備的MFで、3シーズン連続で2位の憂き目にあっているチームの“ラストピース”として、アーセナルは6000万ポンド(約114億円)を支払った。その高評価は単なる将来性ではなく、2024-25シーズンのラ・リーガでの明確な実績に裏打ちされている。
所属していたレアル・ソシエダで、スビメンディは中盤の心臓として攻守両面で際立ったパフォーマンスを見せた。パス数1752本(4位)、成功パス数1479本(4位)、オープンプレー関与1284回(3位)、タッチ数2197回(4位)と、いずれも中盤・守備的MFとしてトップレベルの数字を残している。さらに、縦方向への推進力も目に見える成果をあげている。プログレッシブパス101本(4位)、ロングパス成功92本(4位)、前方パス550本(4位)、前進距離8447.7メートル(4位)と、ボールを前へ運ぶ能力の高さが際立っている。パス成功率84.4%(22位)という数値は、難度の高いパスに果敢に挑戦している裏返しだ。
守備面でも、タックル73回(5位)、インターセプト44回(5位)、空中戦勝利54回(4位)、中盤でのボール奪取92回(2位)と、体格以上の守備能力を発揮。5シーズン連続でリーグ戦30試合以上に出場し続ける耐久性も、アーセナルが信頼を寄せた理由の一つだ。
こうした背景をもとに加入したスビメンディは、プレミアリーグ開幕戦のマンチェスター・ユナイテッド戦でも期待に違わぬ存在感を示した。ミケル・アルテタ監督は、スビメンディの「信じられない存在感」や「極めて素早く高精度な判断力」を称賛しており、「ミッドフィルダーとして非常に稀な資質」と高く評価している。
プレシーズンでは中盤にとどまらず前線にも顔を出す柔軟なプレーで注目され、ビルバオとの試合では右サイドからのクロスでヴィクトル・ギョケレシュのゴールを演出。6ヤードボックス内でのヒールパスからカイ・ハフェルツにも決定機を創出し、攻撃面でも違いを生み出せることを示した。アルテタは当初、スビメンディの加入によってMFデクラン・ライスを左の“8番”でより攻撃的に活用する構想だったようだが、実際に共演させると、両者が頻繁にポジションを入れ替える流動的な関係性が生まれ、スビメンディの前進に応じてライスが後方をケアするという、想定以上の相互補完が機能している。
この新たな中盤の構図は、アーセナルにとって戦術的な進化を象徴するものとなり得る。開幕戦でも、スビメンディはビルドアップの基点としてリズムを作りながら、時に高い位置まで顔を出し、相手ブロックに変化を与えるプレーを連発した。
新たな“ロドリ型司令塔”として、守備の安定と攻撃の活性化という相反する課題に同時にアプローチできるスビメンディ。アルテタ体制の下で、アーセナルのタイトル挑戦を現実にする鍵を握る存在になるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















