【プレミア開幕】遠藤同僚の164億円FW…リバプールに偽9番が再来 エムバペ、ヤマルに並ぶ“エリート指標”

プレミア初挑戦名鑑:リバプールFWウーゴ・エキティケ
プレミアリーグ2025-26がまもなく開幕を迎えるなか、「FOOTBALL ZONE」では2025-26シーズンからプレミア初挑戦を飾る選手を紹介。今回はリバプールに加入したウーゴ・エキティケにスポットライトを当てる。今夏の移籍市場でアタッカー陣の大刷新が行われているなか、3年前に退団したFWロベルト・フィルミーノ以来となる“偽9番タイプ”がチームにやってきた。(参照:データメディア「Opta Analyst」、英衛星放送局「BBCスポーツ」)
【プレミアリーグ2025-26開幕】U-NEXT サッカーパックが全試合を独占配信 気になる登録方法は?
昨季のブンデスリーガで爆発的な活躍を見せたエキティケは、アイントラハト・フランクフルトからリバプールへ約9500万ユーロ(約164億円)で加入。ニューカッスルとの争奪戦を制して獲得にこぎつけた逸材は、もともと、そのニューカッスルのエースであるFWアレクサンダー・イサクの代替案とされていたが、数字が示す通り、決して“二番手”ではない。
フランス1部スタッド・ランスで頭角を現したエキティケは、2021-22シーズンに10ゴールを挙げ、出場24試合で127分に1点という高効率を記録。チーム最多の13ゴール関与を誇り、クラブの月間MVPを9回中4回も獲得するなど、早くから非凡な才能を見せつけていた。その後、パリ・サンジェルマンへのローン移籍を経て完全移籍を果たすも、当時はFWキリアン・エムバペやFWネイマール、FWリオネル・メッシらスーパースターたちとの競争に阻まれ出場機会を得られず。2024年1月にフランクフルトへ活躍の場を移し、そこからキャリアは再び上昇曲線を描く。
ブンデスリーガで残した成績は15ゴール8アシスト。合計23ゴール関与はリーグ4位タイ、フランクフルトを13年ぶりのCL出場へ導く立役者となった。攻撃面の指標も目覚ましい。2024-25シーズンの五大リーグで1500分以上プレーした選手のなかで、「90分あたりの非PK xG+xA」は0.91と欧州屈指の数値を記録。シュート数(4.1本)とボックス内タッチ数(7.2回)もハイレベルで、エムバペやFWラミン・ヤマルらと並ぶエリート指標を叩き出した。
一方で、非PKシュートのxG19.2に対し得点は14と、5.2のアンダーパフォームを記録。38人中23位の12.3%という決定率はやや物足りなさも残すが、これは若さゆえの荒削りさとも言える。3年前に高額な移籍金で加入したFWダルウィン・ヌニェスは決定力の乏しさを露呈し、リバプールでの出場機会を減らした背景があっただけに、“二の舞”は避けたいところだ。
守備面でも高い貢献度を誇り、フランクフルトでは最も高強度プレスを仕掛けた選手。90分あたり15.3回のファイナルサードでのプレスを記録し、献身性も兼ね備える万能型ストライカーだ。プレースタイルの類似性からイサクとの比較がなされているが、統計上の類似度は84%と高く、トランジションからの攻撃を得意とするリバプールにおいて、エキティケはまさに“はまる”存在と言える。
現地アナリストのウミル・イルファン氏は、エキティケについて「モハメド・サラーのプレーを非常にうまく引き出すだろう」と評価し、イサクよりも長期的には好ましい補強になり得ると指摘。さらに「ボール保持時に中盤との連係を巧みにこなし、ほぼフィルミーノのような“偽9番”の役割を果たせる」と分析し、どちらかといえば、イサクよりも、かつての“偽9番”として活躍したフィルミーノの役割に近いと指摘。イサクとの“共存”も可能で、今のリバプールにとっては誰よりも必要なタイプであると強調していた。
FWディオゴ・ジョタの訃報に加え、ヌニェス、FWルイス・ディアスが退団。昨季王者リバプールはアタッカー陣が大刷新されている最中にあるが、“偽9番”の再来が、プレミア連覇の鍵を握ることになるのかもしれない。



















