欧州→J1復帰から1年…古巣相手に証明した”ジョーカー”「ちょっとビビりました」

鹿島アントラーズFWの田川亨介【写真:Noriko NAGANO】
鹿島アントラーズFWの田川亨介【写真:Noriko NAGANO】

鹿島アントラーズFW田川亨介が途中出場で決勝ゴールを決める

 すべてのサッカー選手は試合に先発出場することを目指している。鹿島アントラーズの元日本代表FW田川亨介も、より長い出場機会を求めているはずだ。それでも現在、鬼木達監督の率いるチームで途中出場という役割を与えられているストライカーは、8月10日の古巣であるFC東京との試合で決勝点を挙げた。田川はその役割を受け入れることができており、結果を出せていることに胸を張った。

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 田川が得点感覚を示したのは、試合が0-0のまま推移していた後半36分だった。後半16分にMFチャヴリッチとの交代でピッチに送り出されたストライカーは、右サイドに流れたFW鈴木優磨とのアイコンタクトの後、堅い守りを見せていたFC東京最終ラインの間にできていたギャップに入り、ラストパスを受けて左足でGKのニアを抜き均衡を破った。

「前日練習でも同じような形で点を取ったので、その成果だと思います。前半からゼロで抑えていたし、全員が本当に耐えて、耐えて戦ってくれていたので、自分のところにボールが転がってきてよかったです。一戦一戦が本当に決勝のような試合ばかりなので、先発の選手だけではなく、サブの選手がどれだけやれるかという試合は今後も多くなると思うので、そこで違いを出していきたい」と、自身の思いを口にした。

 鬼木達監督は田川が十分に先発で起用できるコンディションにあると語っていたが、田川自身も「コンディションはずっと良かったし、体も動いているのでいつでもいけます」と、先発出場で起用されても戦えると胸を張った。一方で、「ジョーカー的な役割になることを割り切っている?」という問いにも対しても「はい」と即答し、「だんだん、わかってきたというか。途中から出てのやり方、チームの流れの踏み方とかにだいぶ慣れてきた。今日みたいに耐えなければいけない時間帯とかが多くなると、後半勝負になる。そのなかで交代選手がどれだけ勢いを持つかが大事になるのは、これから大事になる。サブの選手も全員がそれをわかって最近やれているので、継続してやっていきたい」と意気込みを語った。

 鹿島の攻撃には、絶対的な軸として鈴木優磨がいる。現在、J1得点王のレオ・セアラのスタミナが切れた後にも、田川が投入されるとなれば心強いだろう。この日のゴールをアシストした鈴木についても「なんでもできるから、こっちもわかりやすくアクションがしやすいし、要求しやすい。本当にやりやすい。ゴールの時もすぐ目が合ったし、絶対に出してくれると思ったので、信じて走りました」と、田川は背番号40への信頼感を口にした。

 古巣相手ということで「絶対に点を取ってやろうと思っていた」という田川だが、控えめだったゴールパフォーマンスについては「ちょっと抑えました。めっちゃ喜んでやろうかなとも思ったのですが、目の前にサポーターがいたのでちょっとビビリました」と言ってから「リスペクトです」と言い直して笑いを誘った。

 チームを勝たせるために、タイトルを獲得するために、途中出場からでも全力を尽くせる選手がいるチームは強い。田川の姿勢は、この日首位に返り咲いた鹿島の強さを裏付けるものとなっている。

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