森保監督が直面するカオス「本当に試合になるのか」日本代表が描く”衝突→調和”の光景

森保監督が日本代表の調和について話した【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】
森保監督が日本代表の調和について話した【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】

宮本会長と森保監督が平和シンポジウムに出席…A代表強さの秘訣を明かした

 日本サッカー協会(JFA)宮本恒靖会長と、日本代表の森保一監督が8月7日、エディオンピースウィングスタジアム広島で行われた「被爆80年 広島でスポーツと平和について考えるシンポジウム」に出席した。湯﨑英彦県知事らと平和についてディスカッション。人種、年齢、環境も超えてボール1つで繋がれるのがサッカー。森保監督は日本代表というチームを指揮する中で、選手が日々見せる光景に「調和」を感じるとした。

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「カオスですね。本当にこれ試合になるのか……と思うぐらい。練習ではぶつかっている」

 広島が被爆して80年。改めて平和について考える機会で、森保監督が話したのは日本代表の日常に広がるシーンだった。多様性を受け入れる世界になり、ただ時には摩擦も生じる中でサッカーというスポーツが見出す可能性はーー。森保監督は1試合に向かう日本代表選手の姿勢こそ光の1つだと話し始めた。

「今の日本代表はほとんどが海外でプレーをしている。勝つために『俺はこうしたい』と意見をすごくぶつけ合うんですね。ただ、最後には一丸になってやっていこうと1つにまとまる。途中のプロセスでぶつかっても、選手たちが主張し合うことを認め合っている。これはなかなか日本では見られない光景だなと思います。自分の意見を言いながらよりチームとして大きなパワーを出すために、全ては勝つために話し合っている」

 国際Aマッチウィークが始まれば、目の前の1試合に勝利するため1日も、1分1秒も無駄にせず日本のために戦う。時には激しい意見の激突もあるが、試合前には必ず同じ道を進む。森保監督も「人間関係に亀裂が入ったまま活動することを経験したことがない。ぶつかっても落とし所を見つけないといけない中で、譲り合う、尊重するメンタリティーを持っていると思う」。遠藤航キャプテンや長友佑都らベテランを中心に収まる時もあるが、基本的には絆を築き上げる過程で個々が意識を高めている。

「プロスポーツや勝ち負けがある中で譲り合うというのは勝負事としてどうかな、と思うところもあると思う。でも和を保つためにという精神を選手が守ってくれていると思う」

 チームに広がる「和して同ぜず」。受け入れる、尊重する姿勢はどんな場面、環境でも通じること。北中米ワールドカップ(W杯)まで1年を切った。繰り返すプライドと尊重の“調和”が日本代表を強くしている。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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