ザックの右腕が森保Jを称賛 W杯ベスト4は「現実的」…日本人には「必ず達成する力がある」

元アシスタントコーチが語るザックの魅力「日本人以上に日本人的な監督」
かつて日本中を熱狂させた“ザックジャパン”。アルゼンチン撃破、アジアカップ制覇、満員のスタジアム――その中心にいたアルベルト・ザッケローニ監督は選手にもサポーターにも愛された。テクニカルアシスタントとして当時を支えたジャンパオロ・コラウッティ氏は、森保一監督が率いる日本代表の確かな進化を感じ、「ワールドカップ(W杯)でベスト8、あるいはベスト4進出も現実的な目標」と期待を寄せる。変わり続ける日本サッカーにとって、今何が最も重要なのか。(取材・文=倉石千種)
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――今も日本代表には実力ある選手が多く揃っていますが、ザッケローニ監督時代には、独特の盛り上がりや一体感があったように感じます。
「確かに、ザッケローニ監督が指揮を執っていた日本代表はどこか特別だった。初陣でアルゼンチンを破った親善試合、そしてすぐにアジアカップを制覇するなど、目に見える結果を残した。そうした成果もあって、彼はすぐに選手や協会、そしてサポーターたちから愛される存在になった。当初は“イタリア人監督”ということで不安視する声もあったし、歓迎する人とそうでない人がいたのも事実だ。でも、それはザックのことを知らなかったから。僕はよく言っていたんだ。『彼は日本人以上に日本人的な監督だ』と」
――ザッケローニ監督は今でも多くの人に愛されていますね。なぜそこまで支持されたのでしょうか?
「彼は常に正直で、誠実で、誰に対しても裏表がなかった。本当に偉大なリーダーだったし、だからこそ多くの人が彼に敬意を抱いていたと思います。日本の人々にとって、彼は“イタリアの象徴”のような存在だったのではないでしょうか。当時の代表戦は公式戦だけでなく、練習試合や親善試合でもスタジアムが常に満員のような状況。チケットは完売し、スポンサーも数多く集まるなど、経済面でも日本サッカーに大きく貢献していました。彼が素晴らしい人格を持った監督だったからこそ、日本は彼を心から受け入れてくれた。ザッケローニ監督の時は、日本サッカー協会(JFA)自体も変わろうとしていたタイミングでしたし、まさに適切な時に、適切な人物がそこにいたということだと思います」
――日本代表が今後さらに強くなるには、何が必要だと思いますか?
「本当に日本代表は強くなった。タレントの層が厚く、選択肢も増え続けています。若い選手たちもどんどん成長しており、日本代表は確実に、そして着実に進歩している。日本人には目標を定めると、それに向けて全力を注ぎ、必ず達成する力がある。だからこそ、目標達成は時間の問題だと私は思っています」
――今後の日本サッカーの成長をどう考えていますか?
「私は日本がW杯で素晴らしい結果を残すと信じています。JFAの宮本恒靖会長は元日本代表キャプテンとしてピッチ内外、そして選手の心情などを熟知している。同時に、今は組織を動かす力もある。これは日本にとって大きなチャンス。現場をよく知る人物が上に立つことはとてもポジティブなこと。W杯でベスト8、あるいはベスト4進出も現実的な目標として期待できると思っています」
(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)

倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。




















