E-1組でW杯に「一番近いんじゃないか」 柿谷曜一朗が驚き「こんなに…」韓国で目撃した元同僚の姿

【専門家の目|柿谷曜一朗】稲垣祥が見せる「引っ張って行こうという気持ち」
森保一監督率いる日本代表は、韓国で行われているEAFF E-1選手権の第1戦ホンコン・チャイナ戦で6-1の勝利。第2戦の中国戦で勝利を掴み取り、2連覇に向けて弾みをつけたい。「FOOTBALL ZONE」で解説を務める柿谷曜一朗氏は現地取材を続けており、かつて名古屋グランパスで同僚だったMF稲垣祥が表現するキャプテンシーを称えた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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初戦は前半に5得点。勝負はそこでついたが、後半は攻めあぐねて相手にペースを握られる場面も。セットプレーからの失点も喫した。大勝となったが、課題もあったのが事実。10日の練習では、スローインからの展開を確認中に声を掛けずミスが続いたことから、森保監督が「コーチから言われるだけじゃなくて自分たちで要求して! 出るよ試合のときに!」と檄を飛ばすこともあった。
「(ホンコン・チャイナ戦は)前半のことはとにかく忘れて……というそういう隙をやっぱり絶対に見せたらあかん。森保さん的には練習の時もそうやけど、緩さ、隙というところが一番気にしている。海外でやっている選手がいないからこそ、やっている選手たち以上のそういう強さとか、隙を見せないプレーを次の試合では期待したい」
その中で練習中から経験値の少ないチームを盛り立てているのが33歳の稲垣。フル出場したホンコン・チャイナ戦では強烈なミドル弾を叩き込んだ。
「一番(W杯)に近いんじゃないかなって思う。(W杯に)正直、年齢は関係あると思う。やけど、森保さんの気持ちに応えようとしないといけない、そもそも。自チームで上手くいってるから、自チームでのやり方はこうだからというのと、代表はまた別やから。そこはしっかり割り切ってやらないと。いくら若いからって、来年(北中米W杯に)出られへんくっても、その次(2030年W杯に)出られればいいやというそんな甘い話はないから。目の前のものを掴みにいってほしい」
稲垣はロス五輪世代も初代表入りを果たしているチームに対し、初日から積極的にコミュニケーションを図っていた。柿谷氏も現地でその姿を見て「祥がこんなに引っ張るようになったか」と驚いていた。2013年のE-1選手権(当時東アジアカップ)で優勝へ導いた柿谷氏は自身の経験も交え「当時は(栗原)勇蔵さん、コマさん(駒野友一)、林(卓人)さんらが中心となってみんなでJリーグでやっている俺らの力を見せつけようぜ、と言っていたかな。みんな若かったしね。そういう意味では(稲垣)祥のプレーを見ていると引っ張って行こうという気持ちは見える」と称えた。
E-1選手権をどう捉えるか。W杯に向けての生き残り、残りの2試合でどれだけその思いを表現できるか。稲垣だけじゃない、国内組全ての選手の奮闘を期待していた。

柿谷曜一朗
柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)/1990年1月3日生まれ、大阪府大阪市出身。セレッソ大阪の下部組織から16歳でプロ契約。徳島ヴォルティスやスイス1部バーゼル、名古屋グランパスでもプレー。U-17W杯で2得点し活躍した。13年東アジアカップで得点王、14年ブラジルW杯に出場するなど国際Aマッチ18試合5得点。華麗なトラップ、ゴールで人々を魅了し、「ジーニアス」と称された。24年限りで現役を引退し、解説やメディア出演など幅広いマルチな活動をしている。












