浦和に必要な“時間”「増やさないとやられる」 ラストマッチへ…3選手が口をそろえるチャレンジ

GK西川周作、MF金子拓郎、MF安居海渡が取材対応
浦和レッズは現地時間6月25日に米国で開催中のクラブ・ワールドカップ(W杯)のモンテレイ(メキシコ)戦に臨む。前日にはGK西川周作らの3選手が取材対応を行ったが、ギリギリのところで勝ち点を逃した第2戦のインテル(イタリア)戦からの成長すべきポイントには共通見解があった。
浦和は初戦でリーベルプレート(アルゼンチン)に1-3で敗れ、背水の陣となったインテル戦ではMF金子拓郎の突破からMF渡邊凌磨が先制点を奪った。しかし、自陣のペナルティーエリア付近に押し込まれ続けたゲームは後半33分にセットプレーから相手エースFWラウタロ・マルティネスに同点ゴールを許し、アディショナルタイムに勝ち越しゴールを奪われた。この1-2での敗戦により、浦和の決勝トーナメント行きの可能性は消滅した。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準優勝のビッグクラブを相手に耐える姿は世界的にも評価されたが、西川は「ボールを取った後、自分たちが速攻で攻撃をするのか、まずはしっかりボールを握るのか、使い分けがこの2試合であまりできなかった」と話す。カウンターを急いで潰されることが多く、ボールを保持して相手を下がらせる時間も作れなかったことで、圧倒的なボールポゼッションを許してしまった。それが、ゴール前に相手の攻撃が入ってくる回数を増やし、最終的にはゴールが陥落することにつながってしまった。
モンテレイには決勝トーナメント行きの可能性があり、その最低条件が浦和に勝利すること。得失点差の勝負になる可能性もあり、相手のドメネク・トレント監督は攻撃的な姿勢を明言している。浦和にとっては再び耐える時間の長いゲームになる可能性もある。
初戦のリーベル戦でPK獲得の場面もあり活躍を見せている金子は「守備からのショートカウンターは、前に出てくる相手にはより有効になってくると思うので、そこは狙っています」と話す。一方で「今までより自分たちもボールをキープする時間を増やさないと、インテル戦みたいに最後に逆転されてしまう。キープするところはしっかりとチャレンジしていかなきゃいけない」と、目指すべき改善ポイントを口にした。
また、今大会でボランチとして特に守備面で出色のプレーを見せているMF安居海渡も「守備だけじゃ勝てないので、いかに自分らが動いてポイントを見つけて、ボールを引き出す動きが重要になると思う」と話す。チーム内でも屈指のミドルシュート能力を持つ選手だが、今大会ではそのようなポジションまで進出する機会も訪れていない。最終戦に向け「監督としては(後方に)残って守備面をっていうのはあると思うんですけど、それだけじゃやっぱりダメだと思うので、最後の試合はそういうところも出していきたい」と、意欲を示した。
必ずしも相手ゴールに迫れなくとも、ボールをキープする時間を作れれば相手の攻撃回数が減り、敵陣に入ることができれば相手の攻撃はスタート位置が低くなる。ゲームを安定させながら勝利の可能性を上げるためにも、自分たちでボールをコントロールする時間を増やせるかがカギになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)