17位低迷、監督の交代は「考えていない」 東京GMが説明…佐藤龍之介の呼び戻しは「条件が整わないとできない」

FC東京の小原GMが前半戦を総括した
J1のFC東京は6月20日に都内のクラブハウスで記者会見を行い、小原光城GMが前半戦を終え、17位と苦戦している2025シーズンの前半戦を振り返った。「まったく納得できる結果ではない」と切り出し、「得点を取り切れない、失点もリーグワーストというのは、大きく改善をしないといけないと感じている」として、改めて今シーズンから指揮を執っている松橋力蔵監督への信頼を強調した。
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すでに今季のJ1リーグでは、横浜F・マリノスが2度の監督解任をしている。上位争いを期待されながらも残留争いに苦しんでいる点では同じ立場にあるFC東京だが、小原GMは「現時点では監督交代は考えていません。松橋監督体制で行こうと思っています。結果は重く受け止めていますし、改善していかないといけませんが、内容的には積み上がっていたり、選手個々の積み上げが、我々のなかでは一定のものがあると評価している。それをさらに補強を含めた変化を加えて、成績が伴っていくと思っています。特に攻撃の構築は時間もかかると思うので、そこをしっかりやっていく」と説明した。
FIFAクラブ・ワールドカップの開催に伴う特別移籍ウインドーでは、浦和レッズからFW長倉幹樹を期限付き移籍で獲得したほか、ドイツ2部ハノーファーからDF室屋成、カタール1部アル・ワクラから元デンマーク代表DFアレクサンダー・ショルツ、サウジアラビア1部アル・シャバブから元韓国代表GKキム・スンギュの4選手を補強した。
その補強については「今のチームの状況を考えて、攻守に渡って質の底上げをすること。あとは夏の移籍市場での選手の出入りを見据えて獲得したところがあります」と、GK野澤大志ブランドンに欧州への移籍の噂があるなかで、夏の移籍市場で選手が引き抜かれることを見越しての動きだと説明している。
日本代表の6月シリーズには、ファジアーノ岡山へ育成型期限付き移籍中のMF佐藤龍之介が、MF俵積田晃太とともに選出された。この活躍を受けて呼び戻すことは考えているのかという問いに対し、小原GMは放出が決まるまでの葛藤を明かした。
「クラブとしても非常に悩み、彼ともかなり時間をかけて話をして、現場、もちろん監督とも話をしながら、必ずしも全面的に『行ってこい』というわけではありませんでした。我々としても、残しておきたい選択肢はありました。そのなかで、本人と話して『より出場機会を多くとれるところはどこか』というところであったり、彼の成長を考えた時に、苦渋の決断というか、そういう決断になりました」
そのうえで、「向こうに行ったことで成長して、日本代表になったことは、我々としても、当然ながら喜ばしいところ」と言い、今季は右ウイングバックでプレーしている佐藤だが、FC東京に残っていた場合はこのポジションでプレーしていなかっただろうと説明して「いろいろな要素が合わさっての代表選出だと思うので、行って良かったと思う」と続けた。
そして、シーズン中に呼び戻す可能性については「いろんな条件が整わないとできないこと。選択肢の一つとしては、最初から持っていますが、それが本当にいいのか。できるのかを含めて、今は何ともお答えできない」と答えるにとどまった。
(河合 拓 / Taku Kawai)