大卒加入から半年「評価できない」 同期2人とLINEで近況報告…募る悔しさも「あいつらを超えないと」

明治大学からFC東京に加入した常盤亨太【写真:(C) FC TOKYO】
明治大学からFC東京に加入した常盤亨太【写真:(C) FC TOKYO】

FC東京を「覚醒させる若手」にフォーカス

 J1リーグも全38試合中19試合を終え、シーズンは折り返し地点を迎えた。FC東京は現在18位と、残留争いを強いられている。そのなかで若手選手に焦点を当て、現状への思いや後半戦にかける意気込みを聞いた。今回はアカデミー出身で、明治大学から加入したMF常盤亨太。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真)

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 今季、明治大学からFC東京に加入した常盤。リーグ戦ではこれまで4試合に出場し、コンスタントにベンチ入りしているものの、なかなか出場機会を増やせず、前半戦は苦しい時間を過ごした。これまでの19試合を振り返り、自身の評価を問うと、彼はキッパリ「全く評価できないです」と言い切った。

「スタメン出場が0で、サブだったり、たまにメンバーに入るという感じなので。評価は全くできないです。現状では、難しいことはなくて。単純に実力があれば試合に出られると思ってるので、その実力が足りてないのかなって。なにか特に難しいことはないです、自分のなかでは」

 今季のFC東京のボランチには、MF橋本拳人、MF東慶悟、MF小泉慶、MF高宇洋といった面々がスタメンを張る。そんな実力者が揃うなかでも「守備の部分」「ボールに強くいく強度」の2つで「正直誰にも負けない」と自身の強みを話した常盤。しかし大学からプロに入ったなかで、得意とする守備の部分で苦戦している現況を話した。

「大学までだったら前からハイプレスで、マンツーマンでマークの選手を掴んでいけば、ボールを奪えていたんですけど……。今は結構ミドルだったり、守備ブロックを引くなかで、自分の守備の良さを出さなきゃいけないっていうところがあまりやったことがなかった」

 それでも、「1対1の強さだけじゃなくて、数的不利の局面になっても奪い切れるようにしなきゃいけないので、そこはちょっと変化を加えたいと思ってます」と自身に必要な変化もしっかりと把握している。

 大学時代に一番成長したと話す「気合いと根性」をベースに、課題に向き合い、戦う姿勢や、内に秘めた思いをピッチで体現できるようなトライも続けている。後半戦に向けて「球際とか、守備の部分を見てほしい」と熱く話した。

2人の同期から刺激「あいつらを超えないと」

 ここ数年で、大卒1年目の選手に求められているのは、加入してチームの“即戦力”になるということ。現在、イングランド1部ブライトンでプレーをするMF三笘薫の活躍をきっかけに、大卒1年目の選手に求められることが多くなってきている。

 常盤も即戦力での活躍が求められていることを強く感じながら、「大卒としての価値をまず発揮できてない自分に悔しさもあります」と素直な気持ちを口にした。

「即戦力で本当に1年目から試合に出場しないといけないと思ってるので。まずその時点で、自分は大卒としてそこを果たせてない」

 同じ明治大学出身で今季サンフレッチェ広島に加入したFW中村草太は、主力として存在感を発揮。また、東京ヴェルディに進んだFW熊取谷一星も、すでにプロ初ゴールを決めるなど印象的な活躍を見せている。

 そんな2人の同期とは、プロになった今でもLINEグループで近況を報告し合う間柄。「2人に置いてかれているなと正直思っている。それでもいい刺激をもらっている」と同じ舞台で戦う2人から良い影響を受けているという。

「最初はすごく焦ってたんですけど、焦りすぎず。ただ、あいつらを超えなきゃいけないっていう気持ちは持ちつつ。今は何て言うんですかね。うまく自分の心の中では、上手くバランスは取れてるかなと思います」

 焦る気持ちもあったなかで、「自分は自分」と心の中で整理し、「今日の自分と明日の自分」を比べることに徹し、良いメンタリティが保てるようになったという。

「人と比べて自分がどうとか考えるより、今日の自分と明日の自分がどうとか。そういうところにフォーカスした方がいいなと思った。その変わるきっかけみたいなのは、日々の練習とか、練習試合でうまくいかなくても、ちゃんと考えて、こっちのほうがいいのかなって」

先を行く元相棒に追いつくべく、日々研鑽を積む【写真:(C) FC TOKYO】
先を行く元相棒に追いつくべく、日々研鑽を積む【写真:(C) FC TOKYO】

絶対に負けたくない相手「先をずっと行っている」

 同期の2人に加えて、「絶対に負けたくない相手」として、アカデミー時代から同期のGK野澤大志ブランドンの名前が挙がった。野澤大志とはアカデミー時代の寮で同部屋だった元相棒。野澤大志はユース時代からトップチームの練習に参加するなど、常盤の先を行く存在だったという。

「あいつはトップの練習で、俺はユースの練習に行ってました。そこで、あいつはU-18から昇格してプロになって俺は大学へ進学してという流れで。自分がFC東京に帰ってきてからも、どんどん俺の先をずっと行ってるので、負けたくないなっていつも思ってます」

 明治大学で出会った同期の存在も、FC東京のアカデミーで出会った同期の存在も常盤にとっては負けられない存在だ。

「大志を追い越してそこに行き、届きたいなと思ってます」

 将来、先を行く同期らと肩を並べる存在に成長するべく、まずはこの後半戦から、常盤が「魂」がこもった全力プレーを見せ、チームを上に押し上げる原動力になっていく。

(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



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