小森獲得の裏側「数年前から追っていた」 クラブW杯へ…海外選手の契約検討も「現実的に難しい」

浦和の堀之内聖SD【写真: 轡田哲朗】
浦和の堀之内聖SD【写真: 轡田哲朗】

5日に国内最後の練習を行った

 浦和レッズのトップチーム強化責任者、堀之内聖スポーツ・ダイレクター(SD)が6月5日のトレーニング後に取材対応。クラブ・ワールドカップ(W杯)に旅立つのに向け「現実的なことを考えると、グループステージ突破がまず1つ」と大会の目標について話した。

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 浦和は6月1日にリーグ第19節の横浜FC戦に2-1で勝利すると3日間のオフを挟み、この日から再始動。トレーニング開始前に、5月までベルギー1部シント=トロイデンへ期限付き移籍をしていたFW小森飛絢(ひいろ)をジェフユナイテッド千葉から獲得したことを発表すると、早速チームに合流していた。

 小森の獲得について堀之内SDは「常に我々は各ポジションに本当複数人の選手をリストアップしている中で、小森選手に関してはもう数年前から追っていた選手の1人でもありました。本当にタイミングの問題だと思いますけど、昨年までジェフ千葉にいて年明けからベルギーに行かれて。そこでもう1回、日本に戻ってくるっていう情報もキャッチしていました」として、「このタイミングでストライカーというのは点を取るという部分で、現状もいいストライカーがいますけど、新たな競争を組みたいなという思いがありました」と話した。

 世界的に見れば、このクラブW杯による特例措置で出場クラブがいる国は6月1日から10日まで移籍獲得選手を登録できる。小森はこの期間での獲得になったが、堀之内SDは「事前にしっかり準備はしていました。ただ、実際その中で海外選手の契約期間とかも考えると、やっぱりなかなか簡単ではないのが今回の正直な印象です」と話し、クラブW杯を念頭に置いた短期契約についても「その可能性も模索しつつでしたけど、現実的にはやはり難しいだろうという結論には至った」として、この期間でさらに加わる選手はいない見通しを明らかにした。

西芳照シェフも帯同

 クラブW杯は今回から、6大陸王者と開催国代表によるミニトーナメントではなく、各大陸からの代表クラブが32チーム集まって行われる形に大幅リニューアルされて今月中旬に米国で開幕する。浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の優勝により出場権を獲得した。浦和はグループリーグE組に入り、リーベルプレート(アルゼンチン)、インテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)と戦う。

 この日の夕方には米国に出発して事前合宿を行うが、国際サッカー連盟(FIFA)から提示されたベースキャンプ地の全ての場所にスタッフを実際に派遣するなど検討し、最終的にはグループリーグで試合を行う会場からの距離など立地と施設を重視して、米オレゴン州ポートランドに決まった。浦和や日本代表の国際試合でチームを支えてきたことで知られる西芳照シェフの帯同も決まり、一足先に米国入りして準備が進んでいる。

 堀之内SDは大会の目標について「何かの大会に出る際に優勝を目指さないチームはあり得ないと思うので、もちろん浦和レッズとしてもそうです。ただ、やはりより現実的なことを考えると、やはりグループステージ突破っていうところがまず1つあるでしょう。さらに言うと、もう本当に初戦のリーベルプレート戦、そこで勝ち点をしっかり取りにいくっていうことが、大きな目標に向かっては必要だと思っています」と話した。

 米国入りし、時差調整などを行い現地時間17日の初戦に備える。クラブの規模などを考えればグループリーグ突破の時点で世界にサプライズを与えられる立ち位置なのは間違いないが、この32チームのフォーマットになった最初の大会で浦和は世界のベスト16入りを最初のターゲットに戦っていく。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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