序列下→半年で欧州挑戦「すさまじい」 香川真司も驚愕「J2含め移籍を考えてもと」

香川真司が欧州挑戦の北野颯太へエール
セレッソ大阪は6月1日、J1第19節で清水エスパルスと対戦して4-2で勝利した。この試合は小学校4年生の時からC大阪で育ったMF北野颯太のラストマッチであり、試合後には退団セレモニーも行われた。かつて自身もC大阪からドイツ1部ボルシア・ドルトムントへ移籍し、ブンデスリーガ2連覇を達成するなどの活躍をした元日本代表MF香川真司は、試合後に後輩である北野への期待を口にした。
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今から15年前の2010年5月、ドイツに渡る前の香川は自身の国内ラストマッチとなったヴィッセル神戸戦で直接FKを決めて、チームを勝利に導いた。北野にも、試合前に「オレは決めたぞ」と伝えていたと笑い、PKを外した後輩を「まだまだですね。左に蹴りそうな雰囲気があったからね」とイジった。
そして「でも、勝ったことが何より。颯太は点を取りたかったでしょうけど、最後にファン・サポーターの前でしっかりとやることすべてやり切って、勝てたので良かったと思います」と、2アシストを残して海をわたる38番を労った。
欧州で最も成功を収めた日本人の1人である香川に、北野へのアドバイスを求めると「これからは自分で戦っていかないといけない。颯太に話すとしたら、やっぱりうまくいかない時期をどう乗り越えるか。これからたくさんあるでしょう。セレッソだと、みんながカバーしてくれたり、守ってくれるところがあったけど、ヨーロッパにいくと実力社会になる。より自信を失ったり、自分を見失うことがあると思う。でも、この半年間、彼が見せつけたものは、1つの基準として、これから先も残っていく。特に苦しいときに自分の強みを忘れないように戦ってほしいし、なぜ海外に行けたのか。そこに対する自分の誇り、自信を忘れずに戦ってほしい。この半年で彼は証明したし、このJリーグで出し切ったものがあったと思いますし、それを信じてやってほしいなと思います」とエールを送った。
キャンプでは序列が下も急成長の北野
今シーズンの開幕戦となったG大阪との大阪ダービーで活躍し、一気にブレイクしていった北野だが、今年のキャンプが始まる前まで、香川は北野がJ2リーグのクラブへレンタル移籍して、自信を付ける必要があるのではないかと感じていたと明かした。
「(欧州からC大阪に)帰ってきてから、彼は去年も、一昨年も苦しんでいた。正直、今年の冬も個人的にはJ2を含め、移籍を考えてもいいんじゃないかなと思っていたところがあったんで。それくらいなかなか継続して出られていなかったので。でも、今年の冬のキャンプで颯太を見た時、最初は序列下でしたけど、そこからの颯太は本当にすさまじいものがあった。そこから監督の信頼を得たけれど、若い選手ってこれだけ信頼されるだけで、勢いよく成長するんだなというのを間近で感じさせられました。たった半年で(欧州に)行けるってことですから。これだけのチャンスがあるのは、若い選手の魅力だなと思います。ここで練習や試合で、颯太の成長を一緒に見れたのは大きかったし、このチャンスをものにしてほしい。長い戦いがここから始まると思うし、これだけのセレモニーをしたんでね(笑)。簡単に帰ってきてほしくないですね」
退団セレモニーでは、スタジアムに『終わりなき旅』が響いた。15年前に香川も自身のラストマッチの際に流した曲だった。「聞かれたから、『オレはこうしたよ』って言ったら、『じゃあ、僕もそうします』って言うから、『オレのセレモニーを思い出しちゃうからやめろ』って言ったんですけどね。なかったみたいですね、(かけたい)歌が」と、自身の助言があったことを明かした。
15年前、欧州に渡った香川はドルトムントに加入した直後から活躍を見せ、ブンデスリーガ制覇の立役者となった。だからこそ、「最初が大事」と強調する。「若い選手は可能性しかない。ヨーロッパは特にそう。1週間でヒーローが変わる。1か月で立ち位置が変わるし、ニューヒーローが常に出てくる。だからこそ、常に結果を残さなきゃいけないプレッシャーがあるし、そのなかでやり続けるから成長する。欧州に行っても最初が大事。自分もドルトムントでそうだったように、どれだけ良いスタートを切れるか。それは本当に彼にも意識してやってほしい。ロケットスタート。それを期待しています」と、助言を送った。