観客2万人超…Jリーグ・JFAとの強力タッグで新風 “愛される女子サッカー”への挑戦

4年目のシーズンを先日終えたWEリーグ【写真:(C) WE LEAGUE】
4年目のシーズンを先日終えたWEリーグ【写真:(C) WE LEAGUE】

WEリーグ4年目の2024-25シーズンを総括…確かな手応えと未来への課題

 日本女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」は5月29日、2024年度第13回定時理事会後に記者会見を実施。安達健専務理事と黒田卓志事務総長が登壇し、理事会の報告とともに、WEリーグ4年目となる2024-25シーズンの総括を行った。

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 会見の冒頭、安達専務理事は「1万人を超える観客数の試合がカップ戦を含めて5試合、そのうち2万人を超えるゲームが3試合あったという結果は非常にポジティブ。来シーズンに向けてまた準備をしていきたい」と前向きに語った。

 2024年9月、Jリーグの野々村芳和チェアマンが第3代WEリーグチェア(理事長)に就任、副理事長には日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が選出。新体制で迎えたシーズンは事業収益が約8.2億円(見込み)となり、前年度から約2億円の伸びを見せた。JFAから約4.7億円の補助金を受けることで、わずかな赤字で着地する見通しだという。

 黒田事務総長は「事業収益をいかに伸ばすかが、補助金に頼らず自立経営するための、すごく重要なポイント」と強調。WEリーグ発足時の構想では2024-25シーズンからの自立経営を目指していたなか、来季も補助金を活用する予定で、観客数の増加やスポンサー収入の強化が引き続き鍵となる。その一方で支出削減の動きも進めており、WEリーグ発信拠点「Home of.WE」を今年3月に閉鎖させるなど、取り組みの整理を図る方針だ。

 今季のデータや取り組みをまとめた「WEリーグシーズンレビュー2024/25」では認知度調査の結果も公開され、「Jリーグ」は87.7%。「WEリーグ」が40.1%だった一方、日本女子サッカーリーグの2部に相当する「なでしこリーグ」が85.2%と上回った現状に関係者は危機感を抱いており、黒田事務総長も意気込みを語った。

「野々村チェア、宮本副理事長という体制に表れているように、JFA、Jリーグと一緒になって、日本サッカー界全体で女子サッカーを盛り上げて拡大していこうという意思の下に今、取り組んでいます。当然、現場もさまざまな部分で連携しています。アドバイスをもらい、知見共有をしながら一緒にやっていきたい」

 今後の取り組みとして、試合中継カメラの増設や、クラブ・選手がSNSで試合映像を活用して発信しやすくするクリッピングツールの導入も発表。また、カレンダー改革として「8月上旬の開幕前倒し」「中断期間の短縮」「平日開催ゼロ」なども進めていく。

 WEリーグ発足5年目に向け、大きな転換を図るのではなく、1つ1つを丁寧に見直しながら前進する構えだ。すでに魅力ある試合は数多くある。欧州やアメリカのように、女子サッカーが愛される文化を根付かせるため、WEリーグはさらなる飛躍を目指す。

(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)



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