周りから言われた「感情あんの?」 5戦無敗チームを支える“黒子”の存在「それしか生きる道はない」

今季より名古屋でプレーする原輝綺【写真:徳原隆元】
今季より名古屋でプレーする原輝綺【写真:徳原隆元】

名古屋DF原輝綺が前日会見で言及

 名古屋グランパスは5月30日、翌日行われるJ1リーグ第19節アルビレックス新潟戦に向けて豊田市内で前日練習を行った。練習後の会見に出席した名古屋DF原輝綺は古巣対戦となるなか、自身のプレースタイルについて言及した。

【PR】ABEMA de DAZN、日本代表選手の注目試合を毎節2試合無料生中継!

 26歳の原は市立船橋高校から2017年にアルビレックス新潟へ加入しプロデビュー。2シーズンプレー後にサガン鳥栖、清水エスパルスを経て、スイスのグラスホッパーに期限付き移籍を果たした。半年後の23年夏には契約満了により清水に復帰。そして今季より名古屋に加入した。

 途中こそ負傷の影響によりメンバーから外れることもあったが、直近のリーグ戦5試合連続でフル出場。さらにチームも5戦無敗(2勝3分)と巻き返しているが、「チームとして目指してきたものが形になってきたっていう印象なので、新しく取り組んだというよりかは、ずっとキャンプでやりたかったようなことの延長線上が今につながってると思う」と手応えと充実感を明かした。

 それでも「もったいない試合も5月は多かった。次の段階はそういう試合をものにできるかという勝負になってくるかなと思います」と、勝てる試合をドローで終えたことも指摘した。

 原は右のWBでプレーする場面がシーズン序盤で見られたが、今は3バックの右を主に主戦場としている。「やっぱりWBはチームの色が出るんで、今の名古屋のやり方的にWBは多分僕じゃない方がいいなとは思っていましたね。どちらかというと下から入っていく方が性に合ってる。やっぱり高い位置でボール受けたりとか、個人で突破するっていう面に関して僕は持ってないんで。(中山)克とか、器用にできるうっちー(内田宅哉)とか上君(野上)もそうですけど、はっきりとした特徴がある選手がやるべきかなと思うんで、今が一番しっくりきている」と言及している。

「僕みたいな選手が目立たないで勝つのがいいチームだな」

 原は3CBの一角として守備面だけでなく、攻撃面でも特筆している。17節のアビスパ福岡戦(1-1)では先制点の起点となるスルーパスを通し、プレアシストを記録。さらに前節の浦和レッズ戦(1-1)では、敵陣ペナルティーエリアでPKへつながるファウルを誘発した。

「一番は僕みたいな選手が目立たないで勝つのがやっぱりいいチームだなと思います。僕は個人でどうこうするよりかは周りの選手、特徴ある選手を気持ち良くプレーさせることが役割だと思ってるんで、逆に言えばそれが強みでもある。周りの選手をやりやすい状況を作り出して、その周りの選手が好きなようにプレーしてくれることで、僕の良さも引き出してもらってると思ってるんで。お互いの良さを引き出し合っている状況にはあると思う。あとは僕の数字もですが、僕の周辺でプレーしている選手に数字が付いていければ嬉しいですし、よりやりがいが出てくるなと思う」と語った。

 自分のプレースタイルを客観視している原は「絶対無理はしないっていうのは自分の中にあるんで。DFは特にシンプルにプレーすることが大事ですし、難しいことだったり、上手いプレーするのは前の選手だけでいいかなって思ってるタイプなんで。もっとこうしてやろうみたいな欲は、いい意味ではないと思っています」と分析している。

 さらに「(メンタルのブレとかは)自分では分からないです。でも昔から周りには、感情あんの? とか言われますね。(黒子に徹する)そっちの方が個人的にも好きですし、逆に言えばそれしか生きる道はないと思ってるんで。それが一番性に合ってるかなという感じがします」と、自身のプレースタイルや性格的にうしろからチームを支える黒子役が合っていると明かした。活躍の場を名古屋に移した26歳ディフェンダー。今のパフォーマンスを続けた先に、約6年遠ざかっている代表への道がつながっているだろう。今後のさらなる活躍に注目が集まる。

(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング