香川真司「当時の僕よりも、はるかにすごい」 逸材20歳と比較…贈った唯一のアドバイス

ザルツブルク移籍報道の北野颯太について「日本のサッカーにとっても楽しみ」
元日本代表MF香川真司は、欧州で最も成功した日本人選手の一人だ。2010年にドイツ1部ドルトムントへ移籍すると、それまでバイエルンが覇権を握っていたブンデスリーガの連覇に大きく貢献。その活躍からイングランド1部マンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれている。その後、ドルトムントに復帰して、トルコ、スペイン、ギリシャ、ベルギーを渡り歩き、2023年からプロのキャリアを歩み始めたセレッソ大阪に復帰している。欧州で日本人選手がプレーするのが当たり前になった現状を、ベテランとなった香川はどう見ているのか。
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スコアレスドローに終わった5月28日のJ1リーグ第22節の浦和レッズ戦で、香川は約8年ぶりに埼玉スタジアムでプレーした。この日の朝にはチームメイトのMF北野颯太のオーストリア1部ザルツブルク移籍が報じられた。
現在、ボランチでプレーして、北野やMF柴山昌也らを生かしている香川だが、彼らには「同じような選手は出てこないと思っている」と、かつての自分自身を重ねることはしないようにしているという。ただし、1点だけ例外があるようだ。
「みんな違う個性を持った選手ですし、自分に重ねてアドバイスはしない。彼らの特徴や信じているものに対して、少しでもプラスアルファをもたらせるものがあれば伝えたい。(北野)颯太にしろ、自分で掴み取っているものがたくさんある。シバ(柴山)も、去年なかなか結果を残せなかったけど、監督も信頼を与えてマネジメントも非常にうまくいっているし、それに応えるために、必死に練習からプラスアルファ含めて、自分と向き合ってやっているのは、いつか結果が出てくる。個人的な経験から、それは唯一言えるので。そういうものは、若い選手には繰り返しやってほしい。そこは(自分と)重ねながら、隣で見守りながらやっていきたいなと思います」と、練習から課題に取り組む重要性だけは、自身の経験をもとに伝えているという。
欧州で実際に戦った選手をチームメイトにもち、アドバイスを得られるのは、今の若い選手たちのメリットだろう。だが香川は、そもそも自分自身が若かった頃と比較しても、今の若手の能力は「それはもう全然違う」と即答する。
「それこそスピードとか、走る能力。颯太もそうだけど、当時の僕よりも、はるかにすごい。サッカーも変わっている分、選手の色も変わっている。ヨーロッパのサッカーを今は当たり前に見られるし、意識をそこに向けながら日々を送れているのは、15年前とは違う。オレらのときはヨーロッパを見るというよりは、国内を見ながらやっていたところもあったので。だから、世界への見方がより身近に感じられるようになった時代ではあると思う」と言い、近々、日本を離れることになるだろう北野について、「こうやって颯太がまた(海外に)出るっていうのは、セレッソにとっても非常に大事ですし、日本のサッカーにとっても非常に大事なので楽しみです」と期待を込めた。
(河合 拓 / Taku Kawai)