スタイル一新で連敗ストップ「もう重々承知」 主将が口にした「笑い者にされても絶対に這い上がる」 

横浜FMが首位の鹿島に勝利して今季2勝目を挙げた【写真:Getty Images】
横浜FMが首位の鹿島に勝利して今季2勝目を挙げた【写真:Getty Images】

横浜FMが首位の鹿島に3-1で勝利した

 横浜F・マリノスは5月25日、ホーム4連戦のラストとなったJ1リーグ第18節で首位・鹿島アントラーズに3-1で勝利した。3月16日のガンバ大阪戦(2-0)以来、12試合ぶりの白星でクラブワーストの連敗記録を「7」で止めた。キャプテンのMF喜田拓也は試合後に「笑い者にされても絶対に最後這い上がる」と決意を口にした。

 11試合勝利から遠ざかる泥沼のなかで、求められていたのは勝利という結果だけだった。クラブワーストの7連敗を喫した前節のヴィッセル神戸戦(1-2)で最終ラインからつないで攻撃を組み立てるこれまでのスタイルを一新し、シンプルにロングボールを前線に送り込む形に取り組んできた。

 そして、鹿島相手にはその形がうまくハマる展開となった。前半4分、GK飯倉大樹のロングフィートを起点にチャンスを作ると、最後はこぼれ球をDF永戸勝也が利き足とは逆の右足で蹴り込んで先制。その後も素早い展開からFWヤン・マテウスが持ち前の決定力を発揮して2得点を奪った。鹿島の反撃は1点に抑え、喉から手が出るほど欲しかった勝ち点「3」を手にした。

 怪我人が多いなかで、本来のサイドではなく守備陣の中央で起用されていたDF松原健は「今は内容よりは結果が非常に重要なので、まずは勝ててよかったです」と内容よりも勝利の重要性を強調。そして「正直、自分たちがやりたいサッカーではないのはもう重々承知ですけど、今はもうそういうことを言ってられなかった」とスタイルを変えて戦うチームの現状について語った。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間には最後まで走り続けた選手がピッチに倒れ込む場面もあったが、「疲れたっていうよりかは、『やっと勝てた』という気持ち」とその心境を明かした。

 ようやく長いトンネルから抜け出したが、それでも19位アルビレックス新潟と5ポイント差の最下位という事実は変わらない。主将の喜田は「絶対的に勝利の数は足りていないですし、そこを忘れている選手や今日で満足している選手は一切いない」と気持ちを緩めず、「周りに何を言われてもいいし、笑い者にされてもいいですけど、絶対に最後這い上がってマリノスがどういうクラブなのか示したい」と巻き返しへの強い決意を明かしていた。

 自慢のアタッキングフットボールを手放してでも掴んだこの大きな一勝は、強いマリノスを取り戻すための重要な一歩となるだろうか。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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