元相棒が見たパウロの素顔「SNS上のままの存在」 寮の同部屋、影響を受けた大きな後ろ姿「本当に真摯」

高校時代を共に過ごした白井康介と田中パウロ淳一【写真:徳原隆元】
高校時代を共に過ごした白井康介と田中パウロ淳一【写真:徳原隆元】

白井康介がサッカー選手になるまでの半生に迫る

 2023年からFC東京でプレーをする白井康介。左右のウイングバック、サイドバックを高レベルでこなすサイドのスペシャリストがサッカー選手になるまでの半生と、強烈だった高校時代の寮生活について話してくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部 上原拓真/全3回中の第2回)

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

   ◇   ◇   ◇   

 地元の愛知県豊橋市でサッカーを始めた白井。母親からの「あなたはもっと挑戦しなさい」という言葉に背中を押されて、兄も通っていた大阪桐蔭高校への進学を決める。15歳で親元を離れる寂しさや、抵抗があったというが、監督の勧めもあり、当時サッカーに力を入れ始めた大阪桐蔭へ進んだ。

 寮生活で同部屋だったのは、現在J3の栃木シティFCでプレーをするFW田中パウロ淳一。田中は白井の1年先輩で、当時は海外クラブへの練習に参加するなど、プロからも注目を集める存在だった。

 白井は田中との寮生活を「楽しい同部屋生活だった」と振り返る。2人部屋で、朝一緒に起きて学校に行き、部活から帰ってきて、勉強する時間も一緒に過ごした。田中も自身の公式X(旧ツイッター)で白井のプレー映像を引用ポストするなど、今でも2人の親交は深い。直接対戦が実現した時には、ユニフォーム交換をして、お互いの活躍を称え合った。

「パウロさん自身は本当にあのまま。SNS上のままの存在なんですけど。本当に賑やかで。よく言えば賑やかですし、悪く言えばうるさいっていう感じの。本当に優しかったですね」

 同部屋の相棒として過ごした時間はとても濃い時間だった。「宿題とか試験勉強とかやってるなかでもあのテンションなので(笑)」と白井が話したとおり、田中は私生活から常に周囲を巻き込み、盛り上げる存在だった。それでも、田中のサッカーに対する向き合い方は、1つ年下の白井に大きな影響を与え、背中を追い続ける存在でもあった。

「パウロさんはやっぱり、そんな感じですけど。サッカーには本当に真摯に向き合っていて、練習もストイックだし、自主練もいっぱいするしってところは本当に見習って。僕もそれについて行って練習をしてましたし、本当にいい影響をいただきました」

 ここで白井は左サイドを主戦場とするドリブラーとして活躍。「浪速のロッベン」という異名で知られる存在に成長した。「どちらかと言うと(元フランス代表MFのフランク・)リベリーじゃないかなって思ってましたけど」と笑いながら当時を振り返ったが、カットインからのシュート、鋭いドリブルに定評があるサイドアタッカーとして、プロから注目を集めた。

 そしてJクラブで唯一、声がかかっていたという湘南ベルマーレへの加入を決める。大学へ進学する選択肢もあったというが、「プロに入って、もしダメだったとしても、そこから大学も全然行けるっていうのも考えていたので。まずはチャレンジしようってところでプロ入りは決めました」と、高卒で湘南に加入した経緯を話す。プロ1年目は業務提携をスタートさせたばかりの、福島ユナイテッドFC(当時JFL)へ武者修行に出ることになった。

 同部屋で先輩だった田中は2012年に高卒で川崎フロンターレに加入。白井も田中の背中を追うべく、サッカー選手として新たなスタートを切る。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング