泥沼7連敗も「これから変わっていく」 横浜FM主将が感じた“光”「ベクトルがそろっていた」

横浜FM のMF喜田拓也が1-2敗戦の神戸戦を振り返った
横浜F・マリノスは5月21日のJ1リーグ第13節でヴィッセル神戸と対戦し、1-2で敗れた。この結果、クラブワースト記録を更新して7連敗、11試合未勝利となったが、キャプテンのMF喜田拓也は「暗闇のなかに光」を感じられたと振り返った。
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この試合、横浜FMはこれまでこだわってきた自陣からのビルドアップを省略し、前線にロングボールを入れる戦い方を選んだ。これまで自陣からのボール運びがうまくいかず、逆に低い位置でボールを失ってショートカウンターを受けていたことから、つなぎの部分を省略することにしたという。
それでも2連覇中の神戸に1-2で敗れる結果となったが、喜田は「結果は負けました。そして、今は結果以外いらないことも分かっています」と前置きをして、「ただ、『ピッチの中でどう感じましたか?』と聞かれたら、本当にみんなのベクトルがそろっていたし、前向きでポジティブなエネルギーをものすごく感じて、今までと違うような中身、試合だったのもまた事実だったと思う。(試合を)見た皆さんがどう感じたか分かりませんが、(ピッチの)中にいてそう感じました」と、前向きな印象を口にした。
そして「結果を出すためにどうするかを、自分たち、クラブとしてみんなで考えて、話し合って、ある意味、腹をくくって挑んだので。今、僕らは暗闇のなかにいますけど、光という表現が正しいか分かりませんが、前向きでポジティブなエネルギーは感じました」と続けた。
勝ち点にはつながらなかったが、3試合ぶりのゴールも決まった。1点ビハインドの前半43分、喜田がミドルシュートを突き刺した。「いま、自分たちが置かれている状況も相まって、どうしても大なり、小なりダメージを食らってしまう。今日も先に失点してしまって、どうしても今の状況を変えたかったし、クラブを救いたかった。本当にその一心だけだったので、振っていこうと思いました」と、シュートを放った瞬間を振り返った。
サポーターに感謝「ありがたさしかない」
試合後、苦しいチーム状況を理解する横浜FMのファン・サポーターは、ゴール裏へ挨拶に来た選手たちにブーイングではなく、チャントを送った。「僕らは今シーズンを通して、悔しい思いしかさせていないのに、本当にありがたさしかないですね」と言う喜田は、ピッチで選手たちが感じた変化の兆しを、サポーターも感じ取ってくれたのではないかと自身の見解を語った。
「苦しい状況なのは間違いないですけど、この前、選手とスタッフで話す場を持ちました。細かいやり方とか、みんなで合わせたのもあるのですが、僕はみんなで腹をくくる時間だと思っていました。今日、目の前の試合で結果こそ出なかったのですけど、これから変わっていくんだという意思は、この難しい状況のなかでも、僕らはお互いに感じたし、多分、(サポーターが)ああいう反応を示してくれたのは、苦しいながらも一緒に腹をくくってくれているのはヒシヒシと感じたので。勝つ姿、戦う姿を見せないといけない。小さい光でもいい。はいつくばってもいい。全員でやっていくしかない」
次節、中3日で横浜FMが対戦するのは、鹿島アントラーズだ。J元年から横浜FMとともに一度もJ1から落ちたことのない名門である。「本当に素晴らしい相手で、今、首位で圧倒的な力を示している。その相手とこのタイミングで戦うのは意味があると思うし、そういう(首位と最下位という)見られ方もすると思う」と喜田は言うが、首位の鹿島から勝ち点を挙げられれば、低迷する横浜FMにとっても大きな自信になることは間違いない。
「こういう究極の状況に自分たちが置かれて思うのは、戦っているのは自分たちだけじゃないということ。本当にこのクラブにかかわってきた人、数えきれない先輩がいて、その人たちが人生をかけてつないできた歴史や伝統がある。今、自分たちは苦しくて、みんなもがいて、心身ともにギリギリの状態でやっているけど、このクラブはそういうクラブなんだと理解して、奮い立たせて、鞭打って、このクラブのためにやらないといけない」
神戸戦で見えた一筋の光を、さらに大きなものにできるか。歴史的な屈辱のシーズンを過ごす横浜FMにとって、次の90分は極めて重要なものとなるはずだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)




















