久保建英の流出「大きな痛手」 番記者も危惧、ピッチ内外の「もし去ったら…」問題

ソシエダの番記者が語る久保建英の将来「大きな変化が訪れるかもしれない」
ホーム最終戦となったラ・リーガ第37節ジローナ戦を終え、久保建英の2024-25シーズンは過去3年間にわたって所属した古巣レアル・マドリード戦のみとなった。
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久保はジローナ戦で7試合連続の先発出場を飾ると、特に前半、躍動感あふれる素晴らしいパフォーマンスでホームサポーターを沸かせた。ミケル・オヤルサバルが決めたPKを誘発し、2度の惜しいシュートを放つなど、今季最後のホーム戦で3-2の勝利に貢献。その働きぶりからクラブ地元紙「ノティシアス・デ・ギプスコア」のMVPに選出された。
約6年半で5季連続の欧州カップ戦出場権獲得という偉業を成し遂げたイマノル・アルグアシル監督が今季限りで退任するソシエダにとって、来季は変革のシーズンとなる。新境地を見出してくれた恩師が去るこのタイミングは、久保にとっても同じく新たな一歩を踏み出すシーズンになるのだろうか。
そこで今回はラジオ局「オンダ・セロ」でソシエダの番記者を務め、ジローナ戦を実況したイニゴ・タベルナ氏に久保の将来に関する話を伺った。
――久保が今夏退団した場合、ソシエダはどんな影響を受けますか?
「ラ・レアルは非常に大きな問題を抱えることになると思う。今シーズンの久保は誰よりも違いやチャンスを作り出す選手だった。間違いなくチームのベストプレーヤーだよ。サポーターからも愛されている。そのため、もし退団するとなった場合、戦力面はもちろん、ピッチ外でもクラブは大きな痛手を被ることになるだろう」
――久保の退団がもたらすピッチ外の問題とはどんなものでしょうか。
「例えば今日も私は、ラ・レアルのユニフォームを着て観戦に訪れた多くの日本人サポーターを目撃した。彼らがサン・セバスティアンまで来た理由は、もちろん久保がいるからだ。もし久保がラ・レアルを去ったら、彼の加入によって獲得したアジア市場の一部もクラブは失うことになる」

久保建英の契約は2029年まで残っているが…
――久保の残留を望んでいますか?
「もちろん! 私はいつだって、トップレベルの選手たちがラ・レアルでプレーしてくれることを望んでいる。だから久保が残留することを心から願っているよ。今シーズンのベストプレーヤーである彼が来シーズンもラ・レアルの一員として戦ってくれることは、クラブにとって大きなプラスになる。だけど実際のところ、この夏、久保には大きな変化が訪れるかもしれない」
――クラブは久保を残留させたがっていると思いますか?
「クラブはもちろんプレーを続けてほしいはずだし、久保の契約が2029年まで残っていることを忘れてはならない。でも彼に興味を持ち、獲得資金を十分用意できるクラブがプレミアリーグにはいくつかあるはずだ。もしそこからビッグオファーが届き、なおかつ彼がサン・セバスチャンを去りたいと思えば、クラブは交渉に応じる可能性がある(※獲得を希望するクラブが契約解除金を満額支払う場合は交渉不要)」
今夏の去就が注目される久保。2026年には北中米ワールドカップも控えるなか、どんな決断を下すのだろうか。
(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。