OG献上…横浜FCの29歳DF「壊してしまった」 監督、同僚ら擁護も「今日の負けは自分のせい」

横浜FCのDFンドカ・ボニフェイス【写真:徳原隆元】
横浜FCのDFンドカ・ボニフェイス【写真:徳原隆元】

横浜FCは川崎に1-2敗戦

 横浜FCにとっては、もったいない一戦となった。5月14日、アウェーで行われたJ1リーグ第14節の川崎フロンターレ戦、横浜FCは開始早々にMFユーリ・ララがヘディングからゴールを決めて先制した。しかし、前半に直接FKで追いつかれると、後半39分にはオウンゴールで逆転を許し、2連勝を逃すこととなった。オウンゴールをしたDFンドカ・ボニフェイスは、「自分の信じられないミスで壊してしまった」と唇をかんだ。

 2失点目のオウンゴールの場面は、なかなか見ないようなものだった。後半39分、川崎は自陣から前方へロングボールを入れると、GK市川暉記がペナルティエリアを飛び出してヘディングでクリアする。このボールを川崎のMF家長昭博が拾い、右足で無人のゴールへシュートを放つ。ゴールから距離のある位置だったが「GKも前に出ていたので」と打ったボールは、ワンバウンドしてゴールに向かったがクロスバーに嫌われた。

 ゴール前には横浜FCのDFが戻っており、クロスバーに跳ね返ったボールを回収できれば問題ないはずだった。ところが、ンドガが胸トラップして右足でコントロールしようとしたボールが、そのままゴールへ入ってしまう。

 試合を振り返り、ンドガは「チームとして全員がハードワークして戦ったと思いますし、セットプレーから先制点も取れて、全員が戦っていたなかで、自分の信じられないようなミスでゲームを壊したと思います」と言い、その場面については「正直、背後の状態が見えなかった。早く処理しないといけないというところがあった。ああいう時こそセンターバックは冷静なプレーが求められるなかで、そこで冷静になれなかったことがああなった原因かなと思います」と、焦ってボールを処理しようとした結果のミスだったと説明した。

 明確な個人のミスではあったが、試合後の会見で四方田修平監督は、「もったいない部分もあったが、チーム全体でとられた失点だと思う。しっかり映像を見直して分析したいが、裏に出されたボールに対してGKとDFラインの連携や跳ね返したボールを拾えなかったか。シュートの後のプレーを含め、全体で受け止めたい」と、今季フル出場を続けるンドガだけに責任を押し付けることはしないと語った。

 チームメイトたちもユーリ・ララは「誰にでも起こりえること」と言い、MF新保海鈴も「これまで何点ボニ(ンドガ)に助けられたか。それを考えたら絶対に責められない」と、かばった。試合後に声援を送ったサポーターの姿も、ンドガにはありがたかったはずだ。

「本当に今日の負けは自分のミスのせい。でも、それは今後、取り返していくしかない。それだけです」と言う。横浜FCは中2日で湘南ベルマーレとの対戦を迎える。「チームとしてのやり方は、間違いなかった。自分にチャンスが来れば、自分は取り返すためにやるだけ。良い準備をして、気持ちを切り替えてやりたい」と、敗戦の責任を受け止めながらも、しっかりと前を向いた。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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