キーマンと「同じ特徴はいない」 3戦連続欠場で浮き彫り…浦和の“決定的”な課題

浦和のサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】
浦和のサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】

MFサミュエル・グスタフソンがプレーメーカーとして機能

 浦和レッズは5月11日のJ1リーグ第16節・アルビレックス新潟戦に1-1で引き分けた。5連勝のあとに2戦続いて勝利を逃す中、マチェイ・スコルジャ監督は「彼と同じような特徴を持つ選手はいない」とキーマン不在の状況を打破することへの難しさを語った。

 浦和は4月13日のFC町田ゼルビア戦からリーグ5連勝を飾った。それまでとは少しスタメンを変更しつつあったタイミングで結果が出始めたが、後方からの組み立てという側面ではスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンのプレータイムが増え、前線にFW松尾佑介が起用されたことが転換点になった。しかし、グスタフソンはコンディション不良により5月3日の東京ヴェルディ戦から新潟戦まで3試合連続の欠場となった。

 その3試合ではMF安居海渡とMF松本泰志がダブルボランチを組んだが、ハイプレスを仕掛けてきた東京Vにはプレス回避による前進を機能させたものの、ブロックを形成する守備隊形を作った前節のガンバ大阪戦では組み立ての有効性を欠いた。この新潟戦も似たような展開になり、後半からはトップ下MF渡邊凌磨と松本のポジションを入れ替えるも大きな効果は見られなかった。この新潟戦では先制した新潟が勢いに乗って前掛かりになった後は、プレス回避で有効な攻撃を見せた面があった。

 スコルジャ監督はボランチに入った選手たちについて「もちろん、ほかの選手がサミュエル・グスタフソンがいないときにはピッチに立つが、彼と同じような特徴を持つ選手はいないので、同じ役割をほかの選手にさせるのは難しい」と話す。後方のプレーメーカーとして機能するタイプのグスタフソンを欠く中では、サイドチェンジのフィードも減った。

 一方で、その不在時にも試合は続くことから解決策を必要としている。指揮官は「例えば渡邊と松本がポジションチェンジしながらプレーすることで試みをしている。サミュエルのスキルを考えると、彼はチームに攻守のバランスをもたらしてくれると思う。松本がボランチとしてプレーする場合、サミュエルよりも背後に抜けるプレーができる選手です。そのように、特徴が違うのでチームとして彼らを生かそうとしています。ただ、プレーの流れを考えると足りない部分があると思います」と、試行錯誤の状態について話した。

 今季の勝ち点26のうち、勝ち点18はグスタフソンがスタメン出場した試合で獲得している。スウェーデンからやってきたプレーメーカーの復帰が待たれると同時に、長いシーズンを戦う中で彼が不在の時にどのようにして勝ち点を獲得する算段を作るかは重要なポイントになりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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