繰り返さなかった“悪夢の8連敗” 「あの時は止められなかった」…主将が生かした教訓

横浜FCの駒井善成【写真:Noriko NAGANO】
横浜FCの駒井善成【写真:Noriko NAGANO】

横浜FCの駒井善成、連敗ストップで「絶対にJ1残留に向けてしがみついていける」

 横浜FCは5月10日、J1リーグ第16節でアビスパ福岡に1-0で勝利した。3連敗中と嫌な雰囲気が漂いつつあったなかで、チーム全員のハードワークでしぶとく掴んだクリーンシート。キャプテンを務めるMF駒井善成は「チームがうまくいかない流れを断ち切りたいなと思っていたのでよかったです」と振り返った。

 ともに5試合勝ちなしという両者の対戦とあって、序盤からどこかしら重苦しい展開に。しかし、ここまで全試合に先発出場していたDF福森晃斗がベンチスタートになるなど、スタメンを大幅に入れ替えた横浜FCが徐々に試合の流れを掴む。後半14分にFW室井彗佑のJ1初ゴールで先制すると、見事に守り切った。

 ボランチとしてフル出場した駒井も、「お互い規律のあるチームと言いますか、しっかりとスペースを埋めながらという固い入りでしたけど、徐々に自分たちが主導権を握れた展開だと思います」と手応え。「前半何回かあったチャンスに決められなかったですけど、そこで焦れずに先制点を後半に奪えて、クリーンシートで勝ったというのはすごく良かったなと思います」と力を込めた。

 特に光ったのは、身体を張ってセカンドボールを回収し、FW櫻川ソロモンの体格を生かしたポストプレーを駆使して前進する意識。駒井は「ヴェルディ戦ではちょっとうしろ重心と言いますか、ボールは保持しているけど前に行くというところが課題だった。今節はしっかり前に前に出ていこうと話をしていたので、そういうのが出せて良かったなと思います」とチーム全員の奮闘を称えた。

 フィジカルを生かしたハードワークを得意とする福岡に対して、怯むことなく真っ向勝負を挑んだのが功を奏した。「しっかり球際のところで戦えた結果が、セカンドボールの回収につながったと思うので、本当にチームで勝ち取った勝利です」と駒井。自身もファウルにはなったが、激しい競り合いを見せた。

「そこはもうね、男としてビビったらダメなところなので。ファウルになってしまったので、正直いいプレーかどうかは分からないですけど。球際で逃げているようじゃ戦えないと思いますし、もちろんあれでファウルせずにマイボールにしていけたらと思うので、次はファウルせずに取り切りたいと思います」
 
 そんな駒井には、昨年の苦い経験がある。主力として7年間にわたってプレーしてきた北海道コンサドーレ札幌で、J2降格を経験。オフに契約満了となって、横浜FCに移籍してきた。「札幌では8連敗したんですけど、そのときの空気っていうのは、なんて言うんですかね……。止められないような流れ、空気感があったんです」とし、同じ過ちを繰り返さぬよう雰囲気作りもしてきた。

「もちろんやっぱりそれは本当に生かせるところだと思います。このチームは8連敗するようなチームじゃないと思っていますし、苦しい戦いは続くと思いますけど、絶対にJ1残留に向けてしがみついていける、本当に粘り強く耐えて頑張れるチームだと思っているので、チームを信じて頑張りたいと思います」

 18位とまだまだ気の抜ける順位ではないが、上も詰まっていることから一気に上位進出も狙えるのが今季のJ1。「連勝すればガラッと状況は変わると思いますし、それは僕たちもわかっています」と駒井。「でも、J1はそんなに甘くないので。この勝ちをポジティブに捉えながらも、切り替えて次の川崎戦に向かって、全力で1試合1試合、積み重ねていけたらなと思います」と力を込めた。

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