元代表FW絶賛の20歳は「冨安選手を超える可能性」 アジアで示した“凄み”「世界で10本の指に入る」

川崎の高井幸大【写真:Getty Images】
川崎の高井幸大【写真:Getty Images】

【専門家の目|ハーフナー・マイク】20歳の高井幸大が秘める可能性

 かつてヴァンフォーレ甲府などで活躍し、オランダ1部リーグで通算51得点を挙げた元日本代表FWハーフナー・マイク氏が、川崎フロンターレの日本代表DF高井幸大について言及した。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)で、各国代表のストライカーを相手に堂々と渡り合った20歳の逸材について「冨安選手を超える可能性を秘めている」と絶賛した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)

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 サウジアラビアのジェッダで行われたACLEファイナルズ。“完全アウェー”の環境下で、川崎は決勝まで勝ち進み、準優勝となった。そのなかでも、特に目立ったのが20歳の高井だった。アル・ナスル(サウジアラビア)との準決勝ではポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドやコロンビア代表FWジョン・デュラン、決勝ではイングランド代表FWイバン・トニーら、世界トップレベルのストライカーたちと堂々と渡り合った。

「やっぱり高井選手は素晴らしかったですね。決勝では抑えられていたトニーもイライラしていましたし、十分ヨーロッパでも通用することを示したと思います。Jリーグでも(横浜F・マリノスの)アンデルソン・ロペスも止めていましたし、どんどん成長しているなと思います」

 192センチの長身を生かした空中戦の強さはもちろん、楔のパスなど攻撃力も兼ね備える。その特徴に加え、今大会では力強さや駆け引きなど、センターバック(CB)としての“凄み”を感じたとFW目線で語る。

「下半身は元々ゴツい感じはありましたけど、上半身の筋肉もついてきたなと。ゴリゴリ系のトニーにはパワーで押されるところもありましたけど、十分競り合えていた。それ以外にも相手との駆け引きやインターセプトを狙う場所も良かったですしね。足も速いですし、正直もう全部揃っているかなと思います。色んなタイミングがあると思いますけど、ヨーロッパでも十分やれるんじゃないかなと思います」

 20歳のCBに対しては、これまでもさまざまなクラブがリストアップしてきた。「5大リーグでも十分やれると思います」というハーフナー氏だが、ほかの選択肢もあると語る。

「オランダとかベルギーの優勝を狙えるチームもありかなと思います。アヤックスやPSV、ベルギーだったらクラブ・ブルージュなど、チャンピオンズリーグに絡めるチームに行った方がチャンスあるのかなと。彼の年代で言えば、世界でも10本の指に入るぐらいのCBだと思います」

 日本代表にも継続的に呼ばれており、初先発となった3月25日のサウジアラビア戦では好パフォーマンスを披露した。CBは予選で中心となった板倉滉、町田浩樹をはじめ、負傷中の冨安健洋、伊藤洋輝、谷口彰悟ら層は厚いが、十分ポジション争いできる位置に来たと断言する。

「来年のワールドカップでは、冨安選手や伊藤選手が戻ってきたら彼らがファーストチョイスにはなると思いますけど、十分構想には入っていると思います。サウジアラビア戦でも臆さずに、どんどん楔のボールもチャレンジしていましたしね。本当に彼の成長幅はすごい。冨安選手を超える可能性を秘めていると思いますし、本当に将来が楽しみですね」

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ハーフナー・マイク

ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。

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