197cmの19歳逸材は「すっごい」 Jデビューから連続“0”に同僚絶賛「2試合目とは思えない」

名古屋GKピサノアレックス幸冬堀尾が2戦連続スタメン
名古屋グランパスは5月6日、J1リーグ第15節でファジアーノ岡山と対戦し0-0のスコアレスドローで終わった。前節のJリーグデビューから2試合連続でクリーンシートを達成したGKピサノアレックス幸冬堀尾が試合を振り返った。
名古屋は前節、国立競技場で行われた清水エスパルス戦で守護神のシュミット・ダニエルが負傷のため、急遽19歳のピサノを起用した。チームは3得点を奪い、ピサノも1本ビルドアップの場面でミスがあったが危なげなくプレーをして3-0で快勝を収めた。
そして2戦連続でゴールマウスを守ったピサノ。「国立の時よりかは落ち着いてましたけど、やっぱりそれでもスタジアムに最初入る時はすごい緊張しました」と振り返り、「ホームっていうこともあって絶対に負けられない試合なんでそこはすごい気持ちは入ってましたし、結果的にゼロで抑えられたっていうのはすごい良かったことなんで、次も自分が出るか分からないですが、チームとしていい準備できたらなと思います」と語った。
昨季ルヴァンカップでプロデビューし、今季もルヴァンで出場していたがどちらもアウェー戦。そして前節のJリーグデビューも国立競技場と、岡山戦が豊田スタジアムデビューとなった。ホームの後押しを初めて受けたピサノはいつもと違った雰囲気を感じていた。
「今シーズンは結構開幕からベンチに入らせてもらってたんですけど、その時に感じていた時よりも自分が出るってなった時の試合の方がすごい声援を大きく感じました。アップの時、背中からすごい力が湧いてくるというかたくさんの方がゴール裏に来てくれてすごいパワーをもらいましたし、体が軽く感じたというか。そこはすごいパワーを感じました」
同僚DFもピサノの落ち着きを絶賛
試合では名古屋守備陣の頑張りもあり、枠内に飛んできた被シュートは、前半にFWルカオが放った1本のみ。ほとんど決定的なピンチはなく、後半に抜け出されてネットを揺らされたがオフサイド判定で事なきを得た。
「GKとしてやっぱりシュートを打たせないとか未然に防ぐっていうのは、シュート打たれて自分が守るよりもすごい大事なことだと思う。その未然に防ぐところっていうのは今日の試合でも何回かできてたしそこは続けて、それでもやっぱりシュートが来ると思うので、そこを今日みたいにしっかり落ち着いてやれれば。それをどんどん続けていこう、っていうような話をしました」と、試合後に元日本代表で、クラブのレジェンドでもある楢崎正剛コーチとのやり取りを明かした。
守備面だけではなく、攻撃面でもピサノは積極的にうしろからの組み立てに参加。右に開くDF三國ケネディエブス、左に開くDF佐藤瑶大とのパス交換や、プレッシャーをかけられても臆することなく相手の逆を取りボランチの選手にもつなげた。「ピサノは堂々としてるんで、そんなに不安っていうのはないですし、しっかり声も出してくれてやってます。ビルドアップとかも落ち着いてやってくれてるんで、そんなに(シュミットとの)違いっていうのはないかなと思いますね」と三國は印象を口にし、「すっごい落ち着いてんなと思います。なんか2試合目とは思えない。凄いと思います」と絶賛していた。
「相手を引き付けて空いたスペースにどんどん配給していくっていうのはチームの狙いでもありながら、自分の武器でもあると思う。そこをうしろからしっかりいろんな選手とか場所を見ながら、最善の判断ができたかはわからないですけど、スムーズに攻撃につなげられる場面は多かったのかなと思います」とピサノ自身も手応えを明かした。
「もう1回あそこに立って、またあそこでプレーしたい」と憧れの場所でゴールマウスを守ったピサノ。負傷離脱のシュミットがいつ戻ってくるかはわからないが、年代別代表にも選ばれている逸材は「ゼロで抑え続けるのが一番のアピールだと思う」と正GKの座を虎視眈々と狙っている。今後の守護神争いにも注目が集まる。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)