Jクラブの「規律に驚かされた」 中国識者が感銘…サウジ台頭は「集中開催を考えれば順当」

中国人識者が川崎の戦いぶりに感銘【写真:Getty Images】
中国人識者が川崎の戦いぶりに感銘【写真:Getty Images】

アジアサッカー取材歴30年以上の中国人記者が川崎を評価

 AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)決勝が現地時間5月3日に開催され、初の決勝進出となった川崎フロンターレは、アル・アハリ(サウジアラビア)に0-2で敗戦し、惜しくも初優勝を逃した。ただ、その戦いぶりは同じアジアのサッカー関係者に感銘を与えたようだ。大会を現地取材した中国の識者が自身のSNSでJリーグクラブへの称賛や東アジア勢としてのあるべき方向性を綴っている。

 前半に喫した2失点が重くのしかかり、そのまま決勝で散った川崎。7日間で3試合をこなした同クラブの日程やサウジアラビアでの集中開催に大会レギュレーションへの疑問の目が向けられるなか、30年以上にわたりアジアサッカーを取材する中国人ジャーナリストの馬徳興(マー・デーシン)氏が、中国版X(旧ツイッター)にあたるSNS「微博(ウェイボー)」でACLEの総括を綴った。

 そのなかで、馬氏はまず優勝したアル・アハリを筆頭とするサウジアラビア勢の強さに言及。「サウジの3チームは合計24試合で1敗(アル・ナスル対川崎)しかしておらず、ほかは19勝4分という成績だった。準々決勝では出場した全クラブが3点差以上の大勝で勝ち上がり、圧倒的強さを見せた」と競争力の高さを称えている。ただ、「資金力やメンバー、サウジアラビアでの集中開催を考えれば順当な結果」と冷ややかな見方も示した。

 また、馬氏は「川崎の試合を見て、筆者含め各国の記者がその規律に驚かされた」とACLE決勝に進出したJリーグクラブの戦いぶりを評価。「日本人選手の惜しみない運動量と献身性が、戦術的成功の一因。サウジ勢のスター選手は時々さぼっている様子があったが、日本人選手にそれは感じられなかった。日本人選手は技術も高く、スター選手たち相手でも引けをとることはなかった」とし、ネームバリューをカバーしたJリーグ勢の戦術や運動量、技術を賞賛した。

 そのうえで、「東アジア勢は西アジア勢のように莫大な資金投入はできない。だから今回の川崎を学んで個々のタレントでなく、チームワークで対抗するべき」と大会制覇へ進むべき方向性を主張した。

 サウジアラビアを中心に西アジア勢の資金力にはまだまだ陰りが見えないため、来年以降も東アジア勢のACLEにおける苦戦は免れない可能性が高い。それでも、川崎の決勝進出は東アジア諸国のクラブにとって希望の光となったようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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