“元鹿島”の変わらない絆 「お互い苦しいよね」…岩政監督から後輩へのエール「もう一花咲かせて」

札幌の岩政大樹監督(左)と山形の土居聖真【写真:徳原隆元 &  Getty Images】
札幌の岩政大樹監督(左)と山形の土居聖真【写真:徳原隆元 & Getty Images】

札幌の岩政大樹監督、山形の土居聖真に「先輩としてですね」と熱いエール

 北海道コンサドーレ札幌は5月3日、J2リーグ第13節でモンテディオ山形に1-0で勝利した。札幌の岩政大樹監督と山形のキャプテンを務めるMF土居聖真は、鹿島アントラーズ時代に同僚、そして監督と選手としてともに戦った仲。岩政監督は「これは札幌の監督というよりも先輩としてですね」とエールを送った。

 勝ち点13で並ぶ両者の対戦は、後半10分に札幌の前線のプレスがはまり、FWアマドゥ・バカヨコが冷静に流し込んで先制点。終盤の山形の猛攻を耐え、ウノゼロで勝利した。岩政監督は試合を総括した後、土居との対戦を振り返った。

「大宮戦で長澤徹さんとの対戦を楽しみにしていたと言ったら、徹さんがそういうコメントをされなくて、ちょっと寂しい思いをしたのと同時にそのとき負けましたので、勝負の世界ではあまり相手のことを意識しないほうがいいのかなと思って、今日は意識しないようにしていたというのが正直なところです」

 それでも、プレースタイルを熟知する土居に仕事をさせず。後半21分に交代となり、「選手たちが聖真もそうですしその周辺をうまく対応してくれたと思います」と言及。失点してもおかしくないピンチもあり、「完全に聖真を封じたと思っていません。やはり彼がエリア周辺で前を向いたときには怖さを感じましたし、今日はたまたまうちが勝ったということかなと思います」とした。

「いずれにしても彼は選手時代から僕と先輩後輩ですし、その後コーチ、監督としてもキャプテンを任せました。山形に来て最後もう一花、二花咲かせてほしいなと思う選手の一人です。これは札幌の監督というよりも先輩としてですね」

 そんな先輩からの熱いエールに、土居のほうも応える。ここまで不甲斐ない結果が続いていることで、キャプテンとして真剣な表情で記者の質問に回答していた。しかし、岩政監督の話題になるとどこかしら嬉しそうな表情を見せた。

「現役時代も一緒にやらせてもらって、監督としてもコーチとしても指導してもらって、たくさんの思い出だったり、僕のサッカー経験を育ててくれた方なので。きょうもそういった意味でプレーで見せられればよかったですけど、結果というところでは負けてしまいました。また次アウェーに行ったときは、成長というか、頑張っている姿を見せることを楽しみにできればなと思います」

 試合前には会話を交わしたと明かし、「今の現状どう? 元気か?」といった声をかけてもらったという。札幌と山形は開幕前、今シーズンのJ1昇格候補として期待値が高かったが、「お互い傍から見たら苦しい順位にいるので、お互い苦しいよねなんていう話はしました」とここからの巻き返しを誓い合った。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)

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