鹿島が磐石の首位キープ…指揮官は“古巣”のアジア制覇に期待「勝てるんじゃないですか」

FW田川亨介が移籍後初ゴールを決めた
鹿島アントラーズは5月3日、J1リーグ第13節でFC町田ゼルビアと対戦し、1-0で勝利した。4月にはリーグ戦3連敗を含む公式戦4連敗を経験した鹿島だったが、この勝利で3連勝としてがっちりと首位をキープ。鬼木達監督は「本当は2点目を取りたかったが、難しい中で1-0で勝てた。そこは選手の頑張りとサポーターのおかげだと思っています。この1勝をまた次につなげたい」と、終盤には鹿島らしさが前面に出てつかんだ勝利を噛み締めた。
この試合の決勝点は前半39分、FW田川亨介が記録した。MFチャブリッチが長い距離を運び、左サイドのFW鈴木優磨へ預けると、オーバーラップしたDF安西幸輝の折り返しを田川がゴールに沈めた。昨シーズン途中、鹿島に加わっていた田川だが、これが嬉しい移籍後初ゴールに。多くの人が連動してボールが動く、鬼木監督のチームらしい得点だった。
「前半はある程度(ボールの)動かしのところも、しっかり狙いをもって動かせました。得点シーンも最終的にはオーバーラップをかけて人数をかけられて良いシーンだった」と振り返った指揮官だが、「ああいうのをもっともっと回数を増やして、シュート数も増やしたい。後半に2点目を取らないと、今日はゼロで抑えられましたが、事故的なことが起きるかもしれない。勝ちながら修正していかないといけない」と、反省点と今後の課題の指摘も忘れなかった。
昨シーズンまで、長らく川崎フロンターレの監督を務め、今回決勝に進出したAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)でも昨年12月までは指揮を執っていた鬼木監督。日本時間4日の1時半からの決勝のサウジアラビア1部アル・アハリ戦は「中2日で福岡戦があるから」と、ライブ視聴は難しいと語った。
AFCによる突然の日程変更やオイルマネーを使ったサウジアラビアのクラブの世界的スター補強もあり、Jクラブが勝つのはなかなか簡単なことではなさそうだ。それでも鬼木監督は「勝てるんじゃないですか? 今はもう。組織力がやっぱりね」と、古巣のアジア制覇に期待を寄せる。
「この間の準決勝(アル・ナスル戦3-2)は、たまたま時間があったので(退任後に)1試合初めて見たんです。今までは意識的に見ていなかったんですけど。そういう(新体制になってからの)情報もほとんど自分のなかに入れていなかった。『ああ、こういうサッカーか』と思ったのと、若手も頑張っていましたね」
福岡戦後、鬼木監督は間違いなく川崎のACLE決勝を見る。5月11日に鹿島は国立競技場で、ACLE決勝を終えたばかりの川崎と対戦するからだ。自身が分析することになる映像のなかで、川崎が勝っていることを、鬼木監督も願っているはずだ。