ネクスト三笘が掴んだ“コツ”「気持ち込めすぎない」 6.3%打破へ…20歳に近づく開花の瞬間

圧巻ゴールを決めた俵積田晃太【写真:Noriko NAGANO】
圧巻ゴールを決めた俵積田晃太【写真:Noriko NAGANO】

FC東京の20歳MF俵積田はガンバ大阪戦で70メートル独走ゴールを決めた

 FC東京は5月2日、東京・小平市内の練習場で、3日のJ1リーグ第14節・アルビレックス新潟戦に向けて練習を行った。4月25日のガンバ大阪戦で今季初得点を記録したMF俵積田晃太は「このクラブで戦っている限り、活躍しないとダメだと思うので。シーズン最初は波に乗れなかったですけど、この間点も決められたので、ここから波に乗れたらなと思います」と意気込んだ。

 今季はシャドーのポジションに挑戦。これまでのサイドに張るウイングとは違い、中で受けることを求められている。よりゴールが近くなったことでチーム2位タイの16本のシュートを放っているが、決定率は6.3%に止まっている。「ポジションが変わってからすぐ活躍できるほどJリーグの世界は甘くない。直接シュートを打つ場面が去年のウイングより多いので、決め切る力が課題だと思います」と痛感している。

 だが“転機”が訪れた。4月25日に国立競技場で行われたガンバ大阪戦。後半17分から出場すると、同41分。自陣でボールを受けると、スピードに乗ったドリブルで一人、二人、三人とDFを交わし、約70メートルの独走ゴールを決めた。「自分の特徴を存分に活かし切れたプレーだったと思うので、毎回あれをやるのは難しいですけど、ああいう似たドリブルからのプレーを増やしてきたい」と振り返る会心のゴールだった。

 そして、最も大きかったのがシュートの“コツ”を掴めたこと。「気持ちを込めすぎないことが大事かなと。今までは絶対決める、みたいな感じで力を入れ過ぎちゃって、(上に)ふかしちゃったりとかあったので。もちろん技術も不足していますけど、メンタルが大事だなと。ガンバ戦のゴールが本当にそうだったので、力まず、リラックスした状態を続けられるように、改善したいと思います」と感覚をつかんだ。
 
 松橋力蔵監督も才能を認めている一人。今季は得意なサイドではなく、シャドーのポジションにチャレンジさせている指揮官は「悩みながらもしっかりと求めているものに対しては、やってくれている。本当にいつ花開く瞬間が出てくるかなというのは、みんなが待ち望んでいることだと思いますし、今開きかけている部分もある。本当にどんどん決められる選手に変わっていく、そのチャンス、きっかけは自分で掴み切ることが大事だと思います」と期待を寄せた。

 多くのサッカー関係者が「ネクスト三笘」と期待を寄せる逸材ながら、殻を破れない状態が続いている。「今は自分の中でもチャレンジしているので。もしそれができるようになったら、自分がレベルアップできる瞬間かなと思います」。開花の日は、着実に近づいてきている。

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