デビューから3642日「長かった」 アカデミーの“傑作”29歳に生まれた芸術的なホーム初弾「ちょっと興奮」

奥川雅也の今季4点目が決勝点に
クラブ史上初のJ1で首位に立つ京都サンガF.C.が4月25日、リーグ第12節横浜FC戦で2-1の勝利を収め、1位を守った。決勝点を挙げたMF奥川雅也が2戦連発で今季4ゴール目をマーク。アカデミー育ちの奥川はプロデビューを果たした2015年5月6日から3642日、初めて京都のホームでゴールを挙げた。「ニアでもファーでも打てた」一撃は、GKの位置を見極めて判断。倒れ込みながら技ありのゴールで京都の首位を守った。
ドローでは終わらせない。先制点を奪った京都だったが、後半の立ち上がりに失点。ここで救世主となったのが途中出場の奥川だった。FW原大智が頭で落としたボールを巧みなコントロールでトラップし、倒れ込みながらシュート。ニアサイドを撃ち抜いた一撃で勝ち越し点を奪った。
「いい形で大智からボールが来て、トラップが良かった。冷静に打とうか考えた。ディフェンスが前のめりに突っ込んできて、もう一回切り返して、最後GKがどういう体勢で動くかギリギリまで見られて。完全に剥がせたので、GKを見ながら倒れて打ったら相手のGKもニアかファーか迷っていた感じだった。だったらニア上に早いシュートを打とうかな、と」
前節、クラブ史上初めてJ1で首位に立ち、臨んだ一戦だった。重圧もかかる中でしっかりと勝ち点3を積み重ねたことに意味がある。奥川にとってアカデミーから育ったクラブがJ1で1位。「そんなに順位は気にしていない」という中で、目の前の一戦、目の前のサポーターと喜びを分かち合えるかが大事だ。
2015年にプロデビューを果たして約10年、京都のホームでゴールを挙げたことはなかった。「そういえばそうですね。長かった」と本人も驚き「大好きなホームで最高のファンの前で点を取れたことはちょっと興奮しました」。その気持ちがエンブレムキスのパフォーマンスに繋がっていた。
29歳になった奥川。首位のチームを支える欠かせない存在であることは間違いない。