高卒プロ入りで壁「俺、消えるわ」 遠藤保仁から助言…キャリアを支えた恩人「そこで生きろ」【インタビュー】

高宇洋がプロ入り後のキャリアを語った【写真:(C) FCTOKYO】
高宇洋がプロ入り後のキャリアを語った【写真:(C) FCTOKYO】

高卒プロ入りで受けた遠藤保仁の衝撃

 FC東京で2シーズン目を過ごすMF高宇洋。昨季、アルビレックス新潟からFC東京に加入し、攻守の要として活躍している。そんな高が高卒で加入したガンバ大阪でぶつかった壁、レノファ山口、アルビレックス新潟での成長と、今後のキャリアへの思いを話してくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/第4回の3回目)

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 市立船橋高校を卒業した高は、ガンバ大阪への加入が決まったなかで、元日本代表MF遠藤保仁、MF今野泰幸、MF井手口陽介といった、ポジションが同じ実力者たちの壁にぶち当たる。「自分も攻撃に自信があってプロに行ったんですけど、これ俺、消えるわと思った」と当時を振り返り、かつて日本代表で活躍をした遠藤について「あんなにやりやすい人っているんだなっていう。(ボールを)預けておけばなんとかなるっていうのはすごい感じてました」と、さまざまな経験を積んだ今でも、その凄さは忘れることができない感覚だったという。

 当時はG大阪、セレッソ大阪、FC東京のU-23チームがJ3に参加しており、高は主にG大阪のU-23でプレーした。当時、監督を務めていた現・日本サッカー協会の宮本恒靖会長から、「お前はそこ(守備)で生きろ。そこをしっかり自分の武器にして、伸ばしていくことが大事だ」と、ボランチとしての守備を叩き込まれた。

「もう本当に攻撃への思いはありましたけど、なにがなんでも生き残りたいし、試合に出たいっていう思いで。守備のところをすごい意識したのは、ツネさんがきっかけだったかなと思います」

 2019年リーグ開幕節の横浜F・マリノス戦でプロ入り後初となる開幕スタメンを勝ち取り、同年にはトゥーロン国際大会に挑むU-22日本代表にも選出されたが、代表から帰還したあとは出場機会が激減。「ボールを受けるのがすごく怖いというか。それだけ自分に自信がなかった」と苦悩の日々が続いた。

 そのなかで、シーズン途中からレノファ山口FCへの期限付き移籍を決断。この挑戦の裏には遠藤からの「カテゴリーを下げてでも試合に出た方がいい」という助言が大きかったという。山口で1シーズン半、主力として活躍すると、21年に当時J2のアルビレックス新潟へ完全移籍を決めた。

 当時の新潟を率いたのは、アルベル・プッチ・オルトネダ監督。新潟ではスペイン人監督の下、ボールをつなぐサッカーが浸透してきた過渡期だった。高自身も「成長するだろうな」と感じていたものの、チームに合流した最初のキャンプでアルベル監督から大叱りを受けたという。「最初のキャンプはマジでめっちゃ怒られて。本当、練習が全部自分で止まるんですよ。俺がこうだから、ダメ。みたいな」と新たに挑戦するサッカースタイルへの適応に苦労した。

 それでも、新潟に加入初年度からリーグ戦41試合に出場し、翌22年のJ2優勝、J1昇格に大きく貢献。2019年以来となるJ1の舞台でも攻守で存在感を見せ、「すごい周りからも成長したなって、第三者から見ても評価されるようになった」と、新潟でのプレーを経て周囲の声から自身の成長を感じることができた。

 そして、24年にFC東京へ移籍をした。ここでも加入初年度からリーグ戦35試合に出場し、2年目の今季もここまでリーグ戦全試合でスタメン出場中。新潟時代から知る松橋力蔵監督の下、キャプテンマークを巻く試合も多く、青赤の心臓として活躍している。

 これまでチームメートとして、新潟時代にはMF本間至恩、MF伊藤諒太郎、FC東京では松木玖生らが欧州に移籍。身近な選手たちが海外にステップアップするなかで、高自身も影響を受けている。「誰しもが目指すところであると思いますし、日本代表もそう」。それでも、「まだ実力が足りないからこそ、なかなか結果に結びついていないというのは分かっているので」と自分の現在地をしっかりと見つめ、「もっともっと成長して、そういうところに近づいていけたらなと思います」とさらなる成長と、チームへの貢献を誓った。

【試合情報】
開催日:2025年4月25日(金)
カテゴリー:J1リーグ第12節
対戦カード:FC東京 vs ガンバ大阪
キックオフ時間:19:30
試合会場:国立競技場

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(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



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