ロンドンオリンピック日本代表の背番号10 東慶悟が見せ始めた明らかな変化と可能性

ダイジェストや記録に残らない東のプレーの価値

 今シーズンのFC東京は、新たにイタリア人指揮官を迎え、システムをそれまでの4―2―3―1から4―1―2―3、もしくは4―3―1―2への移行を目指している。東は、その新監督のドレスの肝とも呼べるインサイドハーフにコンバートされた。

 昨季までの攻撃に特化した役割だけでなく、今季は新たなポジションで守備にも奔走する。チームメートがボールを奪われると、必死の形相でボールにアタックを仕掛け、芝生に太ももを滑らせる場面も多い。リーグ第3節の神戸戦で自らのパスミスが失点につながった反省を生かし、堅実なプレーで攻撃の下支えにもなっている。ただし、そうしたプレーは、試合ダイジェストや記録には残らないものだ。

 東は、苦笑いで言う。

「僕がやっているポジションの重要性は、本当にサッカーを知っている人にしか気づいてもらえないかもしれない。90分、動きっぱなしだし、すごくキツイ。でも、確かに地味だけど、すごく大事なポジションだと思っていますよ」

 ロンドン世代の10番が、そうした地味な役回りに徹せられるのにはワケがある。それをよく知る一人はこう言った。

「いまなら笑い話みたいだけど、そういう選手だったんだよ、彼は」

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