バルサ下部組織“飛び級”加入…9歳日本人神童は「ずば抜けている」 名伯楽指導のきっかけ「腕の骨折」
5歳から指導を続けるプロトレーナー・木場克己氏が語る神童の凄さ
スペイン1部FCバルセロナの下部組織、アレビンA(U-12)に入団したバルセロナ在住の小学4年生・西山芯太くんは8月31日に行われたMEMORIAL ENRIC RODA SUB-11 Aの大会に出場し、CEマンレザ戦でいきなりゴールを決める鮮烈デビューを飾った。5歳から指導を続けているプロトレーナーの木場克己氏に世界的名門に飛び級入団を果たした神童の凄さを聞いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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かつてバルセロナに入団したレアル・ソシエダの日本代表MF久保建英、2014年にレアル・マドリード下部組織に入団したMF中井卓大(現アモレビエタ)に続き、3人目の愛弟子となる西山くんを世界屈指の名門に送り込んだのが木場氏だった。
「彼の指導を始めるきっかけは腕の骨折でした。親御さんから相談を受けて、まずは怪我をしない身体作りというコンセプトで指導をスタートしました」
体幹とバランス、敏捷性を強化する独自のトレーニングメソッド「KOBAトレ」を開発した木場氏は、FC東京の日本代表DF長友佑都や、さまざまな競技の五輪金メダリストなどエリートを育て、育成年代でも手腕を発揮している。
12月に10歳になる西山くんは、本来バルセロナではアレビンC(U-11)所属となる年代だが、バルセロナ地元育成クラブで昨季リーグ戦30試合出場・54得点24アシストという大活躍により、アレビンA(U-12)への飛び級加入が決まった。
10歳でバルセロナのアレビンCに入団した久保をしのぐ飛び級となるが、「芯太はキレとパワーがずば抜けている。それに加えて、当たり負けしないような体幹の軸、バランスを強化しながら、柔軟性も高めるメニューを作って、取り組んでもらいました。毎日体幹トレーニングをずっと続けている継続力も立派です」と、恩師は目を細める。
これまでのクラブでも飛び級で抜擢され続け、チームメイトや対戦相手も年長者だったという西山くんは、CEマンレザ戦でも日々の鍛錬の成果を披露。自らのポストプレーでチャンスメイクすると、ゴールポストを直撃した味方のシュートを鋭い反応で押し込む新天地初ゴールを記録した。
西山くんは、新天地で見つけた課題を木場氏に相談していたという。
「彼から新たな課題の相談を受けました。年齢の上の選手との体力差です。フィジカルコンタクトの部分は、体幹トレーニングに比べて試合や実戦形式の練習で強化される部分は大きいのですが、基礎体力を向上させるために、新たなメニューを用意しました」
トレッドミル(ランニングマシン)の傾斜を活用したサーキットトレーニングを、通常メニューに加えて、週2回新たに取り組むことになるという。
7月に一時帰国した際にも木場氏が都内で運営する「COREトレSTUDIO」で直接指導を受けていたという西山くん。「体幹トレーニングは大好き。毎日欠かさず続けてます」と笑顔を見せていたが、名伯楽のサポートを受けて、世界的名門で進化を遂げることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)