いきなり躓いたW杯最終予選…本田圭佑の言葉に「重さ感じた」 出場枠8.5へ拡大も「紙一重」
W杯最終予選の初戦に向け…FW浅野拓磨が訴え「簡単じゃない」
いよいよ北中米ワールドカップ(W杯)最終予選が9月5日の中国戦から始まる。3日に27人全員が揃った森保ジャパンは、現在2連敗中のW杯最終予選の初戦に向けて、3日に埼玉県内で調整を行った。練習後、取材に応じた29歳FW浅野拓磨は、「本当に簡単じゃない」と気を引き締めた。
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日本代表は2016年9月1日のUAE戦に1-2、2021年9月2日のオマーン戦に0-1と、直近2大会連続でホーム開催のW杯最終予選初戦を落としている。その要因の1つになっているのが、選手たちのコンディションだ。欧州組がチームのほとんどを占める日本だが、欧州は新シーズンが開幕したばかり。選手たちのコンディションは上がっていないまま、世界最高峰の舞台への出場を懸けた戦いが始まる。
今夏の移籍市場でドイツ1部ボーフムからスペイン1部マジョルカへ移籍した浅野も、「やっぱり新シーズンが始まって、みんなが自分のチームでプレーするためにやるべきことをやって、試合を何試合か重ねて疲労も多分たまってきている中で初めての代表戦になります。そこの難しさっていうのは、僕も合流して2日目ですけど、この2日間だけでもやっぱり感じています」と、コンディションの保ち方の難しさを口にする。
そのうえで、2度のW杯最終予選を戦った経験を持つスピードスターは、「ただ、そこに対しての改善法、攻略法みたいなのって、ないと思う」と、9月に始まる以上、コンディションを劇的に変えることは不可能だと言い切った。
そして、「そのなかでとにかくいい準備をして、ピッチに立った選手がとにかくやれることを100%する。それだけだと思う。そこの難しさに対して何か話す話せることもないですし、これをするっていうことももうないんで。とにかく、それは常にそうかもしれないですけど、ケアのところ。試合に向けて準備を100%でやるしかないのかなとは思います」と、コメントした。
ロシアW杯最終予選、ホーム初戦でいきなり黒星の衝撃
さらに浅野は、最終予選の難しさについて、「ロシアのW杯に向けた最終予選から(日本代表に)いますけど、みんな分かっていると思いますけど、1つ言えるのは本当に簡単じゃないっていうこと」と、強調した。
「(W杯に)行けるも、行けないも紙一重だと思っているので。それは分かりきっているので。それに対して何かできるっていうよりも、とにかく自分たちが持っているものを出し切るしかない。それは、これまでの経験も踏まえたうえで、感じることかなと思います」と言い、ロシアW杯最終予選の時のエピソードを続けた。
「ロシアW杯に向けた最終予選も、負け試合から始まった。その時に僕は本田圭佑さんの言葉を聞いて……。その時、本田さんがみんなに言っていたのが、『簡単じゃないっていうことは分かっている。過去にも、スタートで良くなかったけど、そこからひっくり返してやってきた』っていうことを、みんなの前で話していたんです。その話を聞いた時に僕も若い選手なりに初めてW杯最終予選の重さを感じたし、『本当にやるしかないな』っていう覚悟を持ちました。ただ、(最終予選の)重さを感じるだけではなく、『本当にやるしかない』と、心が決まった自分がいたので。それを前の大会でも感じていましたし、簡単な言葉になりますが、やり続けるしかないなと思います」
自分たちの力でどうにかできる問題だけに直面するわけではないアジア最終予選。出場枠は「4.5」から「8.5」に拡大したなか、1998年から難しい戦いを勝ち抜き(※2002年は自国開催のため最終予選はなし)、W杯の連続出場を決めてきた日本の北中米W杯への道はどのようなものとなるだろうか。
(河合 拓 / Taku Kawai)