米サッカー連盟、前代未聞の「国歌斉唱、起立義務化」 川澄の同僚も関与…一大騒動に発展

NFL選手が社会的不平等を訴えるため起立拒否、他のアスリートも追随する形に

 アメリカサッカー連盟が4日、代表戦での国歌斉唱時に選手の起立を義務化する前代未聞の声明を発表した。英紙「ガーディアン」が報じている。

 同記事では「アメリカを代表する全ての選手は、試合前の国歌斉唱で敬意を持って立っていなければならないと、アメリカサッカー連盟はルール化した」と伝えている。2月の取締役会で承認され、今週末にハワイで行われた年次総会で明らかにされたという。

 事の発端は昨年だったようだ。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)サンフランシスコ・フォーティナイナーズ所属のコリン・キャパリックが社会的な不平等を訴えるため、国歌斉唱の際に起立を拒否して跪く姿勢を取り、他のアスリートたちもそれに追随。サッカー界では、米女子代表MFミーガン・ラピノーが昨年9月のタイ戦やオランダ戦で国歌斉唱時に一人腰を落とし、右膝を地面につける姿勢を取っていた。ラピノー自身も「それは意図的だった」と認めている。

 米サッカー連盟の声明では「アメリカを代表する特権の一環として、国家が演奏されている間は選手や監督が立ち、国旗に敬意を示すことを期待する」と要望している。違反者への処罰は個別に判断されるという。

 INAC神戸からシアトル・レインに復帰する元日本女子代表FW川澄奈穂美の同僚として共闘してきたラピノーも含め、米スポーツ界全体を巻き込む一大騒動へと発展した「国歌斉唱起立問題」は、一応の収束を見ることになりそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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